デキビジ 勝間和代 vs ひろゆき 対談文字起こしまとめ

 
 前半は高木浩光氏がTV録画から起こしたもののまとめ書き,後半はYouTubeにアップされている動画から id:wt5 氏によるもの。
 インターネットの匿名実名論に関する部分のみ,自分用にコピペあとで気になる部分を強調する。
 
 前半部分引用元 http://togetter.com/li/18518
 後半部分引用元 http://d.hatena.ne.jp/wt5/20100503
 
 一言で言うと,どうして実名論者ってインターネットの仕組みや歴史,文化を勉強しないんだろうな,という印象。
 わからないものを悪と設定する,幼稚な二元論に陥っているように見える。
 
 とりあえず,以下にコピペ。
 

高木氏による,YouTubeでカットされているTV放映冒頭部分書き起こし

 
 勝間:是非今日はですね、2ちゃんねるだけの話ではなくて、インターネットの未来であるとかメディアの、ドワンゴやられていますし、どういう感じで進んで行くのかということをですね、お話しさせていただきたいんでよろしくお願いします。
 ひろゆき:ああよろしくおねがいします(ニコニコ、ペコペコ)
 勝間:私が毎日新聞のクロストークという記事の中で、なるべくインターネットは実名主義にしようよと書いたときに、かなり反対されたのがひろゆきさんだと理解してるんですけど、それは正しいでしょうか.
 ひろゆき:ああ(頭をかきながら)、べつにあのなんだろうなあ、その、実名匿名ということを反対してるんじゃなくて、勝間さんの論法がなんかちょっと変わってるなあと思ったんで、言っただけで、なんだろうな、
 ひろゆき:その、実名で書いた方がいいって人はたいてい我の強いか社長タイプって人が多くて、サラリーマンとか普通の一般の人で、名前どんどん出して行きますよって人ってあんまりいないんで。変わってる人たちが言うなあっていう事実に対して言ったわけで。勝間さんの論がどうこうって話じゃないです
 勝間:じゃあべつにインターネットは匿名であるべきというわけではないんですね。
 ひろゆき:使い分けたい人が使い分ければいいだけだと思うんですけど。
 勝間:そのときに、やはりあのー、没個性というのが問題になっていまして、心理学の中でも、自分の名前がわからないだとか、集団の中に埋もれてしまうと、リスクテイカーになって危険性が増すとか、
 ひろゆき:没個性っていう問題が勝間さんの中で問題ならまあ問題でいいと思うんですけど、一般的には問題になってないと思うんで。
 勝間:一般的に問題になっているから訴訟たくさん受けているわけじゃないですか。
 ひろゆき:いやべつに、匿名だから受けているわけじゃないですよ。
 勝間:誹謗中傷が入ってたから受けているということですよね。その誹謗中傷を匿名が招きやすいという、心理学の研究結果があるんですけども、
 ひろゆき:心理学の研究データってどんなものですか?
 勝間:あの、没個性化になるとリスクテイクしたり自分に責任がかかってこなくなると攻撃性が増したり、他人に対する批判をしたりするということですが、
 ひろゆき:責任がかからないって、たとえばじゃあ新宿の街を歩いていました、で犯罪に遭いました、ということと同じですよね。
 ひろゆき:人間て名札付けて歩いているわけじゃないじゃないですか。
 勝間:人為的に促進してしまうのではないかという議論なんですね。それでプロバイダ規制法が入りまして、 IPアドレスその他であるとか開示が、
 ひろゆき:プロバイダ規制法っていうのは、あの、プロバイダ有限責任法のことですか? あれってプロバイダの責任を減らす法律で、プロバイダを規制する法律じゃないですよ。
 勝間:じゃあちょっと話を変えましょう。
 ひろゆき:あはい。(ニコニコ)
 勝間:こないだドコモが最高裁で負けましたけども、書いた人が匿名であっても、それについて何か不都合があった場合には、IPアドレスの開示や、実際にそれを書き込んだのが誰かということを含めて、開示義務があるということでキャリアが判決を受けましたけども、
 ひろゆき:ええええ、そこはぼくは賛成ですけども。4
 勝間:賛成であると。たとえば2ちゃんねるでいろんな、たとえば私のスレッドっがざーーって立ってるんですよ。
 ひろゆき:はいはい、おめでとうございます。(ペコリ)
 勝間:15くらいあるんじゃないかと思うんですけど、数えてないんですが、くたびれて。で、それもはっきり言って、誹謗中傷であったり場合によっては脅迫まがいのこととかいろんなことがあるわけで、事実じゃないことをたくさん書かれていて。それはほっといていいんですかね。
 ひろゆき:それは警察に行くなり裁判所に行って開示させるなりすればいいことだけの話だと思いますけど。
 勝間:でそれは手間ひまの問題で、結局、それをやるのはコストがかかっちゃうじゃないですか、こちら側としても。だったらべつにちゃんとした実力を示してれば、それはそういうものはなくなるんでは
 ひろゆき:実力?
 勝間:実力というのは何だかな、ようするにちゃんとしたことをやってれば、それが事実じゃないということが自ずとわかってくるだろうと。
 ひろゆき:ああ、じゃあ、いくら何書いてもいいっていう、論法ってことですか?
 勝間:ちがいますちがいます。
 ひろゆき:あ違うの?はいはい。
 勝間:誹謗中傷であったり、ある程度の犯罪のものはこれ当然警察に行くべきですし、あるいはプロバイダに対して訴えるべきと、これは正しいです。ね?
 ひろゆき:ええ、ええ、(うんうん)
 勝間:もう一度議論に戻りますと、じゃあ2ちゃんねるという中で、もう、売られちゃったんですけど売られる前に、そういったものを、いわゆる、ユーザに対して何か防止をするとか、あるいは誹謗中傷を受けた人はどんどん警察に言ってくださいとか、
 ひろゆき:書いてますよ。
 勝間:積極的にIPアドレスを開示するとか。
 ひろゆき:積極的にやる必要ないと思いますけど。
 勝間:ここですよ是非ききたいのは!
 ひろゆき:逆に、積極的にIPアドレスを開示しているサービスって何があるんですか?
 勝間:実際にだけど…
 ひろゆき:ヤフー掲示板も、mixiも、GREEも、積極的にIPアドレスは開示してないと思うんですけど。
 勝間:ズゼゾ、そこの、
 ひろゆき:積極的に開示しているサービスがあって、これを真似するべきだっていうならわかるんですけど、
 勝間:ちがいますちがいます、じゃたとえば、アメリカっていうのは実名が中心いて、
 ひろゆき:それもなんかよく言われるんですけど、実際実名で書いているサービスってどれのことを言ってます?
 勝間:FacebookであるとかYahoo!の書き込みであるとか、Amazonの書き込みなんかも、ま、本当に実名かどうかはわかんないですけども、
 ひろゆき:ええ、その実名かどうかわからない名前に何か意味があるんですか。たとえば、じゃあ、2ちゃんねるの書き込みが全部「山田太郎」になりましたったっていったら満足するんですか?
 勝間:……。なんかさ、ひろゆきさん! なんかねー、私たちの議論がぜんぜん噛み合ないのはなにかって言うと、たぶんそのー、ひろゆきさん、どーでもいいじゃんやってれば、みんなが自由にやらせればいいじゃんっていう感じなんですよ。
 ひろゆき:勝間さんが言ってること自体に筋が通ってないから話が噛み合ないと思うんですけど。
 勝間:またそんな話にな…
 ひろゆき:じゃあ実名として山田太郎っていう名前書くのに何の意味があるんですか。
 勝間:実名ではないです。私が言っているのは、実名というよりは責任ある言論であるとか責任ある行動をどうやってインターネットの中である程度のルールをもって確保するよな環境を作りたいかということなんですが、(以下、YouTubeに出てたシーンへ)
 

wt5 氏による YouTube 動画からの書き起こし

 
 http://www.youtube.com/watch?v=gqduJqJuQUs
 
 (ここから)---
 勝:どうやってインターネットの中である程度のルールをもって確保するよな環境を作りたいかということなんですが、
 ひ:それは教育じゃないですか。人がどう考えるかであって別にサービスの提供者がやることではない。
 勝:そこですよそこ。
 ひ:個々の人間だどうするかっていうのをなんでサービスの提供者の責任にしているのかっていうのが僕わからないんですよ。
 勝:そこですよね。だからそこが多分私とひろゆきさんの議論の大きな分かれ目で、私はある程度サービスの提供者が場を作ったときにはそこのルールを規定しないと荒れてしまうと思っているんですよ。
 ひ:荒れるってどういう意味ですか?
 勝:実際2ちゃんねるで非常に有益なスレッドもあって面白い議論もあれば、まさしくその、なんでしょう、鬱憤ばらしのための批判であるとか揚げ足取りであるようなスレッドもたくさんありますよね。それは正しいですか、認識として?
 ひ:社会ってそんなもんじゃないですか? 居酒屋とか行ったらみんなそんな話しているじゃないですか。
 勝:ただそれが、陰口が、ある程度インターネットは私は拡声器だと思っているので、いいことも悪いことも増強されますよね。
 ひ:ええ。
 勝:で、実際その悪いことに対して、例えば、私がやっているクロストークというコーナーでは基本的に新聞に対する言論ということを実名、もちろんそれが本当に戸籍名なのかという議論はありますけども、ファーストネームとラストネームをきっちり書くような形でお願いしているんですよ。
 ひ:で、ファーストネームとラストネームを書いて、誹謗中傷を書いた人がいました。でも結局書いた人が誰だかわかりませんって言う方が問題じゃないですか?
 勝:それはIPアドレスがまさしく請求をして開示して辿ることは可能ですよね。
 ひ:ええ、だからそういうのがトレーサビリティとしてあれば十分であって、別にその山田太郎って名前なのかジョナサンなんちゃらっていう名前なのかなんてどうでもいいことじゃないですか。
 勝:コストの問題なんですよ。例えばそこらへんに道にゴミを捨てる人がいますと。ゴミはゴミ箱に捨てる方が良いですよね。
 ひ:さっきのクロストークの話で山田太郎なのか名無しさんっていう名前なのかコスト一緒ですよ。
 勝:名無しさん山田太郎であればそれが匿名である蓋然性が非常に高くなりますよね。戸籍名が名無しさんである可能性が低いですよね。
 ひ:だから?
 勝:だからコストの問題だと言っているんです。
 ひ:コストはIPアドレスを請求して、その人が誰か調べるコストは全く一緒ですよね。
 勝:だから、そこに行く必要があるかどうかを判断するコストとして、
 ひ:ん、行く必要があるコストって何ですか・・・?
 勝:IPアドレスの請求までする必要があるかどうかという・・・
 ひ:いや、それは書いた物がIPアドレス請求する必要があるんだったら、名前はもうどうでもいいじゃないですか、名無しさんでも山田太郎でも。
 勝:そんなことないですよ。そこのコストの問題をやはり議論したいのですよ。
 ひ:いや、コストは一緒ですよね。
 勝:一緒じゃないですよ。私が例えば・・・
 ひ:いや、プロバイダに請求するコストは一緒じゃないですか。
 勝:だからそれは2日とか待たなきゃいけないですよね。
 ひ:いや、じゃそれが山田太郎になっていたとしても、その山田太郎がどこの誰だか分からないですよね。
 勝:じゃあ、訊きますよひろゆきさん。ビジネスしますよね。ビジネスしたときにひろゆきさん名刺渡さない。
 ひ:いや、今日はたまたま忘れましたけど、持っているときは渡しますよ。
 勝:ですよね。じゃあ名無しで良いんですか、名前も名乗らずに・・・
 ひ:今、全然違う話していますよね?
 勝:いや、違います。リアルではちゃんと名前名乗って自分だどういう人だかを開示して相手の信頼を得ようとするのに、何故インターネットだけ匿名で良いんですか?
 ひ:別にインターネットでも名前名乗りたい人は名乗れば良いと思いますよ。例えば、僕スタッフといろんな人と会っていますけど、名前言って会話した人って多分4、5人で、あとのスタッフ誰も名前を知らないですよ。
 勝:それはクローズドだからですよ。この環境がテレビ東京の天王洲スタジオというところにいるわけですから、明らかにこのデキビジの制作関係者しかいないということがある程度担保されている上での・・・
 ひ:じゃあ例えば公開のイベントやっているときにスタッフか一般の人かわかんないじゃないですか。それ全部名刺交換するんですか?
 勝:インターネットの話をしているんですよ、今は。
 ひ:インターネットの話はインターネットの話をしてください。なんか、今リアルの話にしたの勝間さんですよね。
 勝:いや、リアルの話に対してインターネットが写像であるということに、何故ですね・・・
 ひ:シャゾウ? 何ですかシャゾウって?
 勝:だめだこれ(笑)。
 ひ:ああ、すいません。なんか、言葉知らなくて。
 勝:あの多分ですね、
 ひ:なんか、あのよく分からない、例えばシャゾウって言葉の意味僕知らないんですけど、一般的にもそんなに常識的な言葉じゃないですよね。それを持ち出してダメだこりゃって言われても、確かに僕ボキャブラリ少ないかもしれないけどそれをなんか呼んだ人に対して失礼じゃないですか?
 勝:違いますよ。私が言いたいのはですね、私とひろゆきさんの価値観とかポリシーの違いがあってそれに対して何か議論をこう二人で戦わせようとするとお互いに自分のフィールドに逃げてしまって、余計こう例え話が始まるんで。
 ひ:逃げてないですよ。じゃあ、さっきのインターネット上の名前の話でトレースできるかどうかは名前と名無しさんでもコスト一緒ですよね。はい、いいえで答えてください。ようはプロバイダに対してこういうことがありました、トレースして住所を知りたいかっていうコストは一緒ですよね。はい、いいえどちらですか?
 勝:言います。トレースを必要とする場合には、はい。ただ、トレースを必要とするかどうかの判断がその前にあるますので、その分のコスト軽減されます。
 ひ:じゃあ、山田太郎って書いて誹謗中傷しているのと、名無しさんで書いてて誹謗中傷しているので、内容は一緒ですよね。
 勝:どちらもトレースを請求します。
 ひ:ああ、はい。じゃあ一緒じゃないですか。
 (CM)