Kali LinuxにOpenVASを入れてみる

 結論として現状使い物にはならない。個人レベルで遊ぶにはまあいいかも。

 

 仮想マシン上のKali Linux(以下,単にKali)に,オープンソース脆弱性スキャナOpenVASをインストールして,適当なところをスキャンしてレポートを吐いてみるまでの手順メモ。

 

 まず,Kali上で sudo apt install openvas して OpenVAS をインストールする。

 インストールが終わったら, gvm-setup して初期設定とプラグインのダウンロード・インストール等が終わるまで待つ。このとき,最初の方で Admin のパスワードが表示されるので要注意。最後にも一応出るけど,まれにまともに表示しないことがある。

 セットアップが終わったら, gvm-start でスキャナのデーモンを起動。勝手にブラウザが立ち上がってログイン画面を開いてくれるので(初回はSSL証明書が不適切だつってエラー吐くので許可して続ける), admin のアカウントでログインする

 タスクウィザードで適当な端末のアドレスを指定してスキャンする。しばらく待つとレポートが出来上がる。

 Result からレポートを参照する。レポートは XML や PDF ,テキストファイル等でダウンロードできる。

 

 ざっと一通り試すだけなら上記の通り。ただし,アカウント周りで不整合を起こすのか, admin のパスワードをくれなかったりしたことがある。理由は不明。

 PDF でレポートをダウンロードできない不具合がある。ダウンロードしようとすると 0byte のファイルができてくる。テキストファイル等ではちゃんと落ちてくる。 Greenbone のフォーラムなんかでも既知なので,そのうち治るかもしれない。

 あと,CVEのデータが参照できない。レポートには脆弱性の概要が出るんだけど,詳細を見ようとしたらデータベースが無いみたいなエラーで情報を参照できない。レポートには CVE の番号等は出ているので,別途ググればだいたいわかるんだけど,その場で参照できないのはすごく不便。これも Greenbone のフォーラムでは既知。治し方が紹介されていたけどウチの環境だと治らなかった。

 

 脆弱性スキャンをして,ざっくり眺めるにはいいかもしれない。

 スキャンして手元で( Web ブラウザ経由で)脆弱性の数や概要を眺める分にはいいけど,詳細情報が直で得られないので,わかってる人が自分の手元で使うだけなら使えるかなあってところか。
 それでも CVE を直で参照できないので不便は残る。
 っつことで,わかってる人が条件を踏まえて小規模に内輪で使う分には使えなくはないといった触感。
 レポートがアレな感じなので規模が大きくなると読むだけで手間がかかりすぎると思う。
 ちょっと規模が大きくなったり,引継ぎが発生する可能性があるなら Nessus 買ったほうがはるかにいい。
 Nessus のほうが使い勝手もレポートの出方もいい。