FD Boot も CD Boot もできない端末への Vine Linux のインストール(準備)

 
 ノートパソコン等で FDD が無く、かつ CD Drive が外付けのため CD から起動できないといった場合。母艦となるPC上で VMWare を稼動させ、そちらでインストール前の準備を行う。
 母艦にできるノートパソコンがある場合、そのノートが FD Boot できるなら仮想マシンを使わずそちらで作業してもよい。
 
 手元では VMWare を使う方法も母艦ノートを使う方法も試して両方ともインストールには成功している。っつうか違いは準備段階までなんで、HDD のパーティション切りとインストーラのコピーまでができれば何だって構わないんだけどな。
 
 とりあえず、pcmcia.img に含まれる initrd.img と vmlinuz を使ってブートした場合、panasonic KXL-808AN と付属の PCMCIA SCSI カードの組み合わせで CD を読み込めた。ただし KXL-808AN がいい感じに古いので、CD-RW は読み込めない。恐らく現行の PCMCIA-SCSI なカードは対応できるものと思われる。
 あと、試してないけど Linux で動作確認が取れている NIC なら pcmcianet.img から抽出することでネットワークインストールにも対応できると思われる。
 
 準備するもの:

  • Vine Linux のインストール CD
  • Vine Linux の入手先あるいは CD に含まれる /images 以下にある Boot 用 FD Image(pcmcia.img)
  • Vine Linux 2.6 の FD Less インストールセット
  • VMWare Server
  • Windows をインストールした VMWare 仮想マシン
  • USB 外付け HDD ケース
  • Windows98 起動ディスク(イメージファイル)

 
 以下の手順でインストール前の準備を行う。母艦ノートを使う場合、各 FD Image 等はフロッピーに書き出しておく。

  1. ノートパソコンから HDD を取り出し、USB HDD ケースに収める
  2. VMWare 仮想マシンを設定する(母艦を設定する)
    1. USB デバイスを優先的に接続させる設定にする(母艦ノートを使う場合は不要)
    2. フロッピードライブで Windows 起動ディスクを読むようにする(イメージファイルを指定するか、フロッピーを認識させて起動ディスクをドライブに入れておく)
  3. USB HDD ケースを接続する(母艦にHDDを移植する)
  4. VMWare 仮想マシン(あるいは母艦)を Windows 起動ディスクで起動して、ハードディスクのパーティションを切る
    1. 先頭 8MB だけを vfat (DOS パーティション)にする
    2. フォーマット時にシステムを転送しておく
  5. 仮想マシンFDD の接続先を Boot 用 FD Image に切り替える(母艦ノートの場合、Boot Disk に差し替える)
  6. Boot Disk の中身の「vmlinuz」と「initrd.img」を DOS パーティションにコピー。全部コピってもかまわない。
  7. 同様に、FD Less インストールセットから LoadLin.exe と boot.bat をコピー
  8. boot.bat を編集して、loadlin.exe のパスをあわせる(..\..\dosutils\loadlin となっている部分を、単に loadlin だけにする)

 
 ここまでで準備段階は終了。インストールしたい端末の HDD は、先頭 8MB くらいに DOS のシステムと loadlin.exe、initrd.img、vmlinuz、boot.bat が入っているはず。ここでやることは、

 といったところ。これらができればどんな方法でもかまわない。キモになるのは、Vine2.6 の配布物から LoadLin.exe と boot.bat を取り出しておくことくらい。あとは FD Image から中身を取り出すのに FD に書き込むかイメージを VMWare にマウントするかの違いくらいしかない。
 
 この状態で HDD をインストールしたいパソコンに戻して、DOS で起動することを確認しておく。