個人的メモ。http://d.hatena.ne.jp/Sikushima/20100710/1278749725 で消されたコメントを二つ。


SikushimaSikushima 2010/07/11 09:32 ブロックした言語能力に問題があると思われる方のコメントは削除させていただきます。
 とか言い出してるんだけどコレ喧嘩売られてるのかな?かな?ヽ(*´ー`*)ノ
 
 文脈解説。#librahack で議論が進んでいる「岡崎市立図書館事件」の事後対応の話で,生島チャンは「警察ワルクナイ!ベンダーだけ悪い!でも librahack 氏も逮捕されて当然!だって警察ワルクナイ!だから librahack はベンダー訴えろ!IT業界は反省汁!!」とキャンキャン吠えているわけです。まあこの要約の中だけでも矛盾しているのが爆笑モノなんですが,具体的には上のリンクから飛んでステキな妄想ワールドを体感してきてください。
 そもそも http://librahack.jp で被疑者本人が出している一次情報とすら齟齬があるうえに,勝手に取り調べ風景まで作文する始末。ステキですよ。
 
 生島チャンの主張通り librahack 氏に刑事責任がある(=逮捕送検されて当然)のであれば生島チャンの主張は目的と矛盾しますし,librahack 氏に刑事責任が本来無いとすれば生島チャンの立脚点が瓦解します。すごいっすよ。詳しくは暇なときにでもぼちぼち晒し挙げるか吊るすかします。
 

こぴぺ

 
kammkamm 2010/07/11 02:31
>>は「逮捕されて図書館側のログから確認した」と私は読んでません。

「正常にレスポンスを送信していました」と書いてあるのにその解釈は無理があります。
端末からの視点で「送信していた」などとは書きません。
そして静的コンテンツは返せているのでサーバが落ちているわけではない、という話です。
その誤読によって中段が丸々前提条件からして間違っています。

それとtwitterの改めて読むと「三菱の顧問弁護士が書いたであろう被害届は漏れなく完璧」等々、生島さんの中では管理会社が被害届を出した事になっているみたいですが、いったいそれはどこの情報ですか。また妄想ですか。
http://twilog.org/tweets.cgi?id=Sikushima&word=%E8%A2%AB%E5%AE%B3%E5%B1%8A

図書館に電話で問い合わせた方がいらっしゃいますが、事のきっかけは被害届を出したのは図書館側と判明しています。管理会社は図書館側からの不調の原因を問い合わせに対して原因を返答しただけのようです。

サーバ管理者日誌 岡崎市立中央図書館に電話してみた
http://www.nantoka.com/~kei/diary/?20100622S1

TarikiTariki 2010/07/11 08:23  ちょっとした確認をさせてください。

 記載されていない部分について。

librahack氏は逮捕・取り調べの後送検され,起訴猶予処分となったことが librahack.jp の記載から明らかになっています。この処分は妥当だったと思いますか? はい/いいえ でお答えください。また,簡潔に理由を示していただけると助かります。

 記載部分について確認。

・「librahack氏は(未必の)故意をもってlibraサーバを停止させた」と主張しておられると理解しましたが,間違いはございませんね? はい/いいえ でお答えください。また,簡潔に理由を示していただけると助かります。

・「被害届は三菱某(=ベンダー)が攻撃だと認識したことによって作成・提出に至った」と主張しておられると理解しましたが,間違いはございませんね? はい/いいえ でお答えください。

・「警察の捜査,取り調べには何ら問題が無い」と主張しておられると理解しましたが,間違いはございませんね? はい/いいえ でお答えください。

・「三井某(=ベンダー)が被害届を出したことが問題だ」と主張しておられると理解しましたが,間違いはございませんね? はい/いいえ でお答えください。「はい」の場合は,なぜ被害届を出したのが問題なのか,簡潔にご指摘いただけると助かります。

 以上,お手数おかけします。

 お礼に,ちょっとしたクイズを。正解は私も知りませんので,頭の体操にでもどうぞ。
 「どうして librahack 氏は『librahack』というハンドル・ネームを採用したのでしょう?」
 

 岡崎図書館事件についてのお話。

 
 軽く喧嘩売られた*1のでド素人はすっこんでろ的に片っ端から間違いを晒し上げるよ。
 対象エントリはこれね。http://d.hatena.ne.jp/Sikushima/20100710/1278749725
 関連情報は「岡崎市立図書館事件」でググってね。
 大阪のジーワンシステムという会社( http://www.g1sys.co.jp/ )の社長らしい生島 勘富(いくしま さだよし) id:Sikushima という人なんだけど,これが話にならないくらい,それこそ「本当にこいつ設計とか分析とかできんの?っつうかコイツ仕事大丈夫か?」レベルにひどいのですよ。
 想像と思い込みをベースに自分の都合のいい仮説を立て,その仮説を補強するために赤の他人を犯罪者呼ばわりした挙句にその人の名誉を回復するのが目的だとか斜め右上三回転宙返りクラスのアクロバティック論理を展開して矛盾を連発してくれる無能な働き者のクズさ。
 さっそくいくよ。クラクラするくらい矛盾と妄想に蝕まれたいくしまわーるどにレッツごー。
 

重要・・・?

 
 とりあえず生島某のblogから引用します。


  私の目的は@librahack氏の名誉回復と再発防止です。

  名誉回復はマスコミの報道と、ベンダーの謝罪によってなされるべき。

  再発防止は、IT業界の認識を変えるべき。と考えています。

 全て生島某には不可能です。まず,名誉回復に触れておきましょう。
 生島某のblogを読めば解る通り,生島某にとって岡崎市立図書館事件(以下,本件)に関して警察はパーフェクトな仕事をしたことになっています。そう,パーフェクトなのです。
 該当部分を引用しましょう。

 実際に被害者がいる状況ですから、@librahack氏は明らかに加害者です。加害者の「気づいていなかった」という明らかに矛盾した言い分を、警察が鵜呑みにできるわけがありませんから、即逮捕(裁判所に逮捕状を請求かな?)ですね。「気づいていた」として、その後の対応がなかったことを、被害者や第三者が合理的に納得できる理由になっていなければ、警察としては逮捕せざるを得ないのです。
 強調したいので再度,部分を取り出しましょう。

実際に被害者がいる状況ですから、@librahack氏は明らかに加害者です。
(中略)
警察としては逮捕せざるを得ないのです。
 はい,お気づきのように,生島某はこの時点で逮捕は当然である,としています。根拠は不明ですが。
 また,生島某は次のように述べ,librahack に(未必の)故意があった,つまり,本件の刑事責任を負う立場であった,と表明しています。

 私は「気づいていた」と思っていたのですけれど、いずれにしても第三者を納得させられる言い訳は思いつかない。私が同じ立場であれば、多分、意地でも認めないけれど、どこかのタイミングで「未必の故意」を認めて反省を表明せざるを得なかったんじゃないかと思う。
 逮捕もやむなし,言い訳を思いつかない,未必の故意を認めて反省を表明・・・ 犯罪が成立し,生島某の主張の通りであれば,librahack 氏はまごうことなき犯罪者です。そして,起訴猶予処分。犯罪を犯したが,反省しているので裁判はやめておいてやろうという情状酌量処分。これを生島某は全て是としている。
 
 つまり,生島某は「librahack 氏は犯罪者である」と喧伝していることになる。
 
 この状況において,生島某の目的である「librahack 氏の名誉回復」などできるはずがない。何故なら,それを目的と掲げている本人が,いたずらに librahack 氏の名誉を毀損し続けているのだから。
 
 名誉回復はマスコミの報道と「ベンダーの謝罪」によって行われるべき,と生島某は言います。しかし,それは不可能です。
 まず,生島某の主張する通りであれば,「ベンダー」は「被害者」です。「被害者が加害者に謝罪」しますか?
 生島某はこうも言います。「librahack 氏が賠償請求を起こし,その話題をメディアに乗せれば,勝てなくても示談は得られる」と。
 該当の Tweet を引用しておきましょう。http://twilog.org/tweets.cgi?id=Sikushima&word=%E7%A4%BA%E8%AB%87

@librahack氏は調書で罪を認めているので、訴えたら向こうの弁護士は「言い掛かり」として突いてくるハズだけど、マスコミが動けばベンダーとしては恥ずかしくて言えなくなる。結果、示談になる。公判維持できないので改めて起訴されることもまずない。 #librahack

posted at 11:33:08

 ・・・社会正義ってなんでしょうね。訴訟ゴロの言い分ですよ,これは。
 まともな社会生活を送っている人間の発想ではありません。
 
 そして最後に残った再発防止。これはかなりアクロバティックなので,また後で詳しく記述することに致しましょう。
 
 少なくとも,生島某の掲げる目的「マスコミ報道とベンダーの謝罪による librahack 氏の名誉回復」は事実上不可能であることはお解り頂けたことと思います。
 
 これ,まだ本編じゃないあたりクラックラきますね。
 

逮捕は仕方なくない

 
 まず生島某は文章を最初から誤読しています。通常,文章は書かれた順に読み,突然前の行を無効化して意味を汲み取るような読み方は致しません。当然ですね。小学生の国語の教科書ですらそんなアクロバティックなことは教えません。というか,大学で文学やってもそんなアクロバティックな書物は発見できないでしょう。
 ですが,生島某はそのようなアクロバティックな文章読みをして,次の文章を誤読しています。
 
 http://librahack.jp/okazaki-library-case/libra-server-accident.html


LibraのWebサーバのアクセスログを、私がアクセスした時間帯に限って確認しました。
Webサーバの動き

* 約90%ぐらいのリクエストについては正常にレスポンスを送信
* あるリクエストを境に、Webサーバがデータベースサーバとのセッションを確保できず、HTTP 500(内部サーバエラー)を送信
* すべてのリクエストに対して正常にレスポンスを送信できている日もある

Webサーバとデータベースサーバとの接続の周りでトラブルが起こったと推測しました。
私の確認した限りでは、Webサーバの停止を確認できませんでした。データベースサーバとの接続を必要としないリクエストについては、正常にレスポンスを送信していました。

 通常,この文章を正直に読めば,「アクセスログを見せられたことによって理解した内容」を列挙し,そのまとめを述べていると理解するでしょう。常識的にはそのはずです。日本語を扱う人ならほぼ100%まともに読むでしょう。
 このことは,librahack 氏のサイトの他のページでも明らかになっています。それは以下の部分です。
 http://librahack.jp/okazaki-library-case/private-web-application.html

プログラム概略

* Libraの新着図書ページを読み込んでISBNや予約数などをスクレイピングする
* 取得したISBNや他データに新規登録日付を付加してデータベースへ入れる
* PHPスクリプトをcronで毎日定時に実行してデータベースを自動で更新する
* AmazonのWebAPIや他APIマッシュアップして、新着図書についてレビューを表示する
* Libraの予約数を表示、予約が多ければAmazonで購入するためのリンクを表示する、予約が少なければLibraで予約するためのリンクを表示する

 
 http://librahack.jp/okazaki-library-case/stress-test-thinking.html

* リクエスト数:10カテゴリ×約200ページ=約2,000ページ
* 自分側サーバの負荷限定:30分間ぐらいで終わるように。約2,000リクエスト / 1,800秒 = 約1リクエスト/秒
* 相手側サーバの負荷限定:シリアルアクセス(リクエストは同時に複数送信しない、リクエストの応答が返ってきてから次のリクエストを送信する)
* 単位時間あたりリクエスト数を限定:リクエストとリクエストとの間に適当な時間間隔(ウエイト)を作る
 大雑把に,次のような仕様であったことがわかります。

  • Libra(岡崎市立図書館サイト 以下 Libra)の新着図書データを読み取る
  • 若干データを加工してデータベースに入れる
  • cron を使って自動的に実行させる(← 重要!!)
  • 一日に取得するページ数は制限する(約2,000ページ)
  • データは一つずつ取り出し,取り終ってから次のデータを取り出す
  • あまり短時間に連続してデータを読みに行かないよう,制限する(ウエイト)

 そんなに難しいブツではありません。私だったら PHP あまりよくしらないので,Perl あたり使うことになるのかなーといったところ。
 重要なのは,cron で動作を開始させているところでしょう。つまり,「よし,今からデータを読み込むぞ」とコマンドを入力するとか,そういったアクションをとっていないことになるのです。
 もっと言えば,スクリプトの動作を監視していません。また,上記仕様が全てだとすれば(librahack 氏の一次情報なのでそう考えるのが妥当),エラーログなどをテキストに吐き出したりしていません。
 つまり,勝手に動いて勝手に終わって,あとからデータベースの中身を見て「お,取れてる」と判断するような運用のツールである,ということが,ちょっとしたプログラマであれば読み取れます。
 もっと言えば。WEB サーバが停止したのでなければ,決してシステムダウンには気付かない運用なのです。
 
 そして,librahack.jp の記述を素直に読めば。http レスポンスコード 500 が帰っていたことは,逮捕後,証拠を目前に並べられるまで,すなわち,


Webサーバとデータベースサーバとの接続の周りでトラブルが起こったと推測しました。
私の確認した限りでは、Webサーバの停止を確認できませんでした。データベースサーバとの接続を必要としな
 の文章は「逮捕後,証拠となる Libra サーバのログを見せられてはじめて把握した」と考えるのが最も合理的です。また,librahack.jp 上の librahack 氏の記述にもよく合致します。
 
 このように,ごくごく普通に考えて,サーバのアクセスログに触れられるのは逮捕後,取調べ時に証拠を前にしたときと理解できるはずです。
 しかし生島某のアクロバティック誤読は時間軸を無視します。
 
 http://d.hatena.ne.jp/Sikushima/20100710/1278749725
 

しかし、最後の2行の

「私の確認した限りでは、Webサーバの停止を確認できませんでした。データベースサーバとの接続を必要としないリクエストについては、正常にレスポンスを送信していました。」

 は「逮捕されて図書館側のログから確認した」と私は読んでません。クロールしていたときに調べていたと判断していました。なぜかというと、障害の状況から分かることは、約1ヶ月の間に21回、約7割の確率で障害が起きていて、最後の1割ぐらいのデータは取得できないことになります。

 あきらかにおかしい。
 クロールしていたときに調べるような運用ではないことは,cron で起動,制限された件数のデータを取得したら終了という運用からも明らかです。
 生島某は示された仕様を読み取ることができず,また,先に引用した通り

実際に被害者がいる状況ですから、@librahack氏は明らかに加害者です。
(中略)
警察としては逮捕せざるを得ないのです。
 

 私は「気づいていた」と思っていたのですけれど、いずれにしても第三者を納得させられる言い訳は思いつかない。私が同じ立場であれば、多分、意地でも認めないけれど、どこかのタイミングで「未必の故意」を認めて反省を表明せざるを得なかったんじゃないかと思う。
 生島某の脳内では librahack 氏は犯罪者でなければならず,そのために(未必の)故意を満たさねばならず,そして,そのためには「サーバダウンをあらかじめ知っている」必要があり,結論として,「示された事実を都合よく捻じ曲げて吹聴」したのです。
 
 大事なことなので繰り返しておきます。
 生島某は,自分の都合のいいように事実を捻じ曲げ,吹聴しています。
 
 示された事実に基づけば,librahack 氏はサーバダウンを予見していないと考えるのが最も合理的です。http レスポンス 500 は表面的に HTTP が正常終了しますので,スクリプトは処理を続行することができます。
 生島某が「librahack 氏はサーバダウンを知っていたはず」と言い張る根拠として

「新着データの収集」であるならば「約7割の確率で最後から約1割が取得できてない」ということに気づいていなければ、目的と行為に矛盾することになります。当然、私は「気づいていた」と考えていました。
 というのがありますが,「全件取得」が目的ならエラー発生時にリトライを試みる仕様であるべきで,表明された事実と相反します。
 また,ごくふつうのプログラマなら,スクリプトがうまく走っていないという認識を得たならかならず改善を行います。しかし,librahack 氏は逮捕までスクリプトの改善を行った様子がありません。このことも,librahack 氏がサーバダウンの事実を認識していなかった状況証拠になります。
 
 つまり,事実を淡々と読み取れば,librahack 氏はサーバダウンの事実を逮捕まで知らなかったことになり,「(未必の)故意」または「故意」を満たす状況になく,「犯罪を構成しない」,つまり,刑事責任を問われるべきではない(=逮捕・送検されるべきではない)状況にあった,ということが明らかになります。
 
 そうです。
 逮捕は仕方なくないのです。
 立件に至る必要はなかったのではないか,というご指摘が,弁護士の落合先生からもあります。
 http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20100622#1277165981
 
 しかし,これは生島某にとって非常に都合が悪い。ですから,生島某は非常にアクロバティックな文章曲解を行い,事実を歪曲し,想像や妄想で肉付けを行っていきます。見てみましょう。
 

 しかし、最後の2行の

「私の確認した限りでは、Webサーバの停止を確認できませんでした。データベースサーバとの接続を必要としないリクエストについては、正常にレスポンスを送信していました。」

 は「逮捕されて図書館側のログから確認した」と私は読んでません。クロールしていたときに調べていたと判断していました。なぜかというと、障害の状況から分かることは、約1ヶ月の間に21回、約7割の確率で障害が起きていて、最後の1割ぐらいのデータは取得できないことになります。

 これはすでに読み方がおかしいことを指摘済みです。最後の二行も,ログを示された後のことと読むのが普通です。
 

 クロールは悪意のない行為で「新着データの収集」が目的であった。と考えるのは「逮捕はひどい」と考える根拠のハズです。「逮捕は仕方がない」といいながら、私もそう思っていますから、「新着データの収集」であるならば「約7割の確率で最後から約1割が取得できてない」ということに気づいていなければ、目的と行為に矛盾することになります。当然、私は「気づいていた」と考えていました。
 前述の通り,スクリプトの仕様から,「約7割の確率で最後から約1割が取得できてない」ということを認識するのは困難であったことが予測できます。当然,サーバダウンには「気付いていない」と考えるのが妥当です。
 

 これは現実にはどうだったか分からないけれど、TVドラマのようにいきなり逮捕状を持って逮捕というのはそれほど多くないはずで、今回も任意同行を求められている可能性は高いです。

 そのとき、以下の質問をされて、

(妄想)

 実際に被害者がいる状況ですから、@librahack氏は明らかに加害者です。加害者の「気づいていなかった」という明らかに矛盾した言い分を、警察が鵜呑みにできるわけがありませんから、即逮捕(裁判所に逮捕状を請求かな?)ですね。「気づいていた」として、その後の対応がなかったことを、被害者や第三者が合理的に納得できる理由になっていなければ、警察としては逮捕せざるを得ないのです。

 どのような取調べを受けたかまで捏造しています。見苦しい。
 挙句の果てに

私が同じ立場であれば、多分、意地でも認めないけれど、どこかのタイミングで「未必の故意」を認めて反省を表明せざるを得なかったんじゃないかと思う。
 未必の故意を認めざるを得ないとまで言い放つ。
 示された事実の通りなら未必の故意なんてものは持っていなかったはずです。ですが,20日に渡る取り調べの末,librahack 氏は「未必の故意」を認めた可能性があります。(起訴猶予処分となっていることから,未必の故意または故意を認め,嫌疑を認めた可能性が高い)
 
 ここまで指摘の通り,生島某の主張する「逮捕はやむなし」は,示された事実を都合よく歪め,妄想によって肉付けされた「フィクション」であることがハッキリわかります。
 
 警察は誤認逮捕をしたのです。逮捕すべきではない人を逮捕し,送検してしまった。愛知県警の行為は責められてしかるべき行為と言えます。
 愛知県警はもっと慎重に事を運び,身柄拘束に至る前に事情聴取を行い,適切に対処すべきでした。
 
 誤解の無いように付け加えておきますが,librahack 氏に全く責任が無いと言っているわけではありません。本来なら,エラーレスポンスをログっておくとか,そういったデバッグコードを埋めておけば,より慎重な運用ができたでしょう。そうであれば,最初の数回はシステムダウンを誘ったかもしれませんが,最終的には問題の無いダウンロードができるようになっていたかもしれません。しかし,これはあくまでも「過失」による責任であり,偽計業務妨害という刑事責任を負うべきものではなく,サーバダウンによって生まれた損害を弁済する民事責任を負う可能性がある,という意味の責任です。
 
 librahack 氏は犯罪を犯したのではなく,強いて言えばミスを犯したのです。
 

右斜め上の「防止論」

 
 すでに生島某の本件に関する認識が事実に基づかないことを論証してありますので,空想物語ベースの「再発防止策」が実効性の高いものであるとは言い難いものであるだろうことは想像に難くありません。
 
 あらかじめ指摘しておきますが,本件はそもそも被害届を出す前にアクセスコントロールしておくべき案件でした。
 この点においては,生島某の言うベンダーの責任があります。もっと正確には,図書館と保守契約先とのタッグにある責任です。
 (与えられた情報からは,Libra の運営管理が図書館が主体となっていたのか保守契約先が主体となっていたのか判別できないため,二者双方の合同責任と考えるのが合理的です。)
 図書館と保守契約先はもっとスマートに本件の処理を終わらせることができたはずです。
 それはサーバの増強だったかも知れませんし,アクセスコントロールだったかも知れません。
 
 しかし,それだけではありません。すでに指摘済みのように,事実を積み重ねれば,librahack 氏は逮捕されるべきではなかったことがわかります。そもそも犯罪を構成していないのですから,逮捕・送検に至る必要などなかったのです。
 なのになぜ逮捕・立件されたのか?
 
 それは愛知県警に基本的な WEB 系の知識が無かったから,としか言いようがありません。
 ここまで述べてきた中で技術的なトピックは,librahack 氏の作成していたスクリプトの仕様を読んだ程度のものです。そして,その程度の情報であれば,任意の事情聴取で得られる内容であり,付け加えてスクリプトを走らせていたノートパソコンを一台証拠物件として押収すれば捜査は終えられたはずのものです。
 
 先に指摘した通り,警察は誤認逮捕を行い,送検に至り,検察は起訴猶予処分を下し,librahack 氏には前歴(前科ではないが,前科のように今後の情状証拠となる)がついてしまいました。
 警察のミスも防止する必要があるのは明らかです。
 
 さて,ここで生島某の文章を引用します。


 大きな被害は出ている。加害者は行為は認めている。目的は「攻撃でない」と言ってるけれど矛盾している。その状況で「逮捕しない」という結論を選ぼうと思ったら、夫婦間のレイプのように「誰が聴いても、それは痴話げんかでしょう」と言えるレベルにならないと不可能です。つまり「誰が聴いても、それはサーバの不具合でしょう」って警察が言えないと無理なわけです。
 
 被害(=サーバ停止)と行為(スクリプトの実行)については,そりゃ認めるでしょう。証拠になったアクセスログの通りです。ですが,目的が攻撃でないことと何ら矛盾しません。「確かに俺はスクリプトを走らせた。が,それは攻撃ではない」という文章は,矛盾なく成立します。つまり,過失によってサーバが停止した,という文脈です。おそらく librahack 氏はそう主張したことは容易に推測できます。(民事責任を認め,刑事責任を否認する)
 この状況で逮捕しないことは可能です。librahack 氏の容疑は偽計業務妨害であり,その犯罪が成立するためには未必の故意または故意が必要です。しかし,前述の通り librahack 氏はサーバダウンの事実を認識していなかった可能性が極めて高く,未必の故意すらなかったことが容易に推測できるのです。
 また,アクセスログを見れば,おそらく攻撃と呼べるほどのアクセスがなかったこともわかったはずです。
 
 つまり,愛知県警は示された証拠を充分に検分するだけの技術力に欠けていた,と言うことができます。
 
 そもそも,librahack 氏のクローラは(librahack.jp の内容を見る限り)簡単に作っただけあって,そんなに高性能ではないようです。むしろ負荷をかけないように性能を制限した様子があります。
 並列にリクエストを投げない,応答が帰ってくるまで待つ,ウエイトを入れる,と,さっぱりした内容で,かつ,常識的に考えればサーバがダウンするほどのリクエストを連投しない作りになっていました。
 
 つまり,生島某の言葉を借りれば,「誰が聞いてもそれはサーバの不具合でしょ」と警察が言えるレベルのこと,だったのです。むしろ,警察にそう言ってもらえればよかったレベルの話なのです。
 この程度のことは,WEB を触る技術者ならまず読み取り,理解し,当然そう判断するレベルの内容です。全部 librahack.jp に書いてあります。被疑者の言葉による一次情報です。最も基本的な事実として扱うべき情報です。
 が,生島某はその程度の理解が,その程度の判断ができませんでした。おそらく,常識レベルの WEB 系の知識が無いのでしょう。
 ここが「ド素人は黙ってろ」と言われる所以ですが・・・
 
 つまり,ちょっとでも齧ったことのある,心有る技術者なら,「この逮捕はオカシイぞ」と一瞬で見抜けるレベルの,それこそ「コーラを飲んだらゲップが出る」レベルの常識を,生島某は持ち合わせていませんでした。 否,警察は弱者の味方で間違いないと信じ込むあまり,技術者の良心を捨ててしまったのかもしれません。
 
 ですから,生島某には警察が「これはサーバ側の不具合レベルの話でしょ・・・」と理解すべきだった,ということが,まず理解できていないのです。
 
 技術者としては10年前でも通用しないレベルの知識です。岡崎警察,愛知県警かなりヤバいです。
 
 再び生島某の言葉を引用しましょう。

 IT業界内にこんな風に1秒1アクセスは過剰であると考える人も大勢いる中では、「1秒1アクセスぐらい耐えれるでしょ」って考えた人が警察にいたとしても、警察にどんなにスキルがあっても、今回の件で逮捕はやむを得ない。
 止むを得ない。本当でしょうか。普通に捜査すれば,特別貧相なサーバでない限り落ちない程度のリクエスト頻度であることはすぐにわかるはずです。当然,順番にアクセスしていることもわかります。ダウンローダの類であることは証拠から明白になるはずです。でなければ,そもそも立件できません。
 
 ついでにちょっとした例を挙げましょう。
 あなたの使っているインターネット・エクスプローラは,標準設定で同時に4つのリクエストを投げます。FireFoxは先読み機能があり,これも並列にリクエストを投げます。chromeも同様の機能を持っているようです・・・そう,「通常のブラウジングに耐えられるサーバなら,1秒1アクセス程度耐えられると考えるのが普通」なのです。
 
 生島某の言葉を引用しておきましょう。

 何度も、何度も、書いている通り、こんな不幸な事態を防ごうと思ったら、我々IT業界の人間がスキルをつけるしかない。
 それだけ,ではありません。たった一つの道しかないわけではありません。警察,検察,裁判所。それらが証拠を吟味できるレベルの知見を持てばよいのです。
 というか,そんな結論は先月末にはとっくに通過しているんですけど,生島時空はまだ六月なんでしょうか。デスマるとまだ6月42日だ!とか言いたくなる気持ちはわかりますけど世間一般にそれを持ち出しちゃダメです。社内だけにしておきましょう。
 
 生島某は警察の対応に問題が無いと吹聴していますが,先に示したとおり,警察が「これはサーバ側の不具合じゃないのか」と感づく程度に WEB 系の常識を持ち合わせていれば,まず librahack 氏は任意の事情聴取で済むか,逮捕されたとしても即日に近い釈放を得られていたでしょう。警察は突然踏み込んで librahack 氏を逮捕していますが,この程度のトラブルであれば,まずは任意で事情聴取することもできたでしょう。なんせ「ブラウザよりも手加減した」アクセスなんですよ?
 
 サーバ側の不具合の可能性が高く,任意の事情聴取すら行わずいきなり逮捕し,20日の長期間に渡って勾留した警察の対応は,批判されてしかるべきものです。また,起訴猶予処分は嫌疑が充分であるが起訴(送検)しない,というものであり,前科ではありませんが前歴として記録されるものであることを考えると,警察の拙速な対応,および,メンツ優先の対応に反吐が出る思いになるのが,一般的な技術者の常識的な感覚でしょう。
 
 ところが,生島某の主張は,事実を元にしていません。推測や空想をもとにしています。
 さらに,「被害者は加害者に謝罪せよ」など,社会正義にもとる発言を繰り返しています。
 そのような空想家のド素人が,さも知った風に「警察は悪くない,librahack 氏は故意にサーバを落とした加害者だ」と吹聴している,この事実は,librahack 氏にとって非常に悲しむべきことでしょう。
 
 もちろん,上記の通り,そもそも被害届を出す前に,岡崎市立図書館と三菱電機インフォメーションシステムズが連携して不具合を解消するなり,クローラが嫌ならアクセスコントロールするなりすれば済んだ話でしかありません。
 (Twitter #librahack タグで議論中,図書館は公的機関なので犯罪を予見したときは通報の義務がある,と指摘して頂きました。刑訴法239の2参照)
 アクセスログを見れば,クローラであることは一目瞭然であり,おそらくそこに犯意は見出せないと思いますが,高木氏の取材によって「警察に相談しにいった図書館が,被害届を出すよう促された」ということもわかっています。( http://bit.ly/a9MmjZhttp://bit.ly/8YUuCU
 
 被害届を出す前になんとかしろよ,という言い分にはもちろん反対しませんが,それと同時に,警察の拙速,メンツ優先主義,そして警察に一般常識レベルの技術的知見がなかったことも批判されるべきことでしょう。
 生島某は,警察の責任を理解できず,全てを三菱電機インフォメーションシステムズの責任であると決め付けています。それは,生島某の中で矛盾することなのに,それすら気付いていません。
 
 三菱某社が根本的原因なら,何故 librahack 氏を「加害者」呼ばわりしなければならないのでしょうか?
 そしてそれは,「librahack 氏の名誉回復」に寄与するのでしょうか?
 三菱某社が原因なら,librahack 氏は被害者でしょう。そして,その被害は,警察の実力によってもたらされたものでしょう。ならば,警察にも引責するのが当然でしょう。なのに,生島某は警察の責任を決して認めない。警察に責任が無いのであれば,逮捕・送検は妥当だったと強弁するしかなく,librahack 氏は加害者に堕とされ,三菱某社と図書館が提出した被害届は将に被害を申告するものであったものになり,結果として,「ベンダーの謝罪」は得られなくなります。
 ここにおいて,生島某の強弁していた内容は全て崩れ去りました。
 
 生島某が強調した文章を否定しておきましょう。

 警察の対応を批判して、警察にITスキルを求めるということは「保守する技術者が不具合か攻撃か判断はつかないけれど、警察は分かるようになるべき」ってことですよ。
 
 曲解です。
 
 誰もそのようなことは主張しておらず,言っているのは生島某の脳内だけです。幻聴かなにかがあるようですので,怖がらずに心療内科の受診をオススメします。
 
 正しくは「本件のようなアイタタな被害届が出てしまった場合でも,警察は適切にハンドリングできる程度の技術的知見を持つべきである」という主張になります。警察にITスキルを求めるとどうして保守側の責任を放棄することになるのか,理解に苦しみます。どちらか一方しかスキルアップしてはいけないなんて,誰も言っていないのです。生島某はいったい何と戦っているのでしょうか。全くわかりません。
 

 IT業界以外の人が「警察もITスキルをつけるべき」と言ってくれるならともかく、IT業界の人間が口にすることはおかしいのです。技術者としてのプライドがあるなら、とても恥ずかしいことではないですか?
 
 詭弁です。
 どの業界であろうと,今回の件について警察の対応のまずさを批判することができます。技術者のプライドもクソも何ら関係ありません。警察の対応「も」まずかった。それが事実です。
 
 ベンダーも警察も責められて当然。そして,ベンダーの話題はとうに過ぎ去って,ベンダがアイタタだったのは周知の事実,すでに折込済みで今更騒ぎ立てるほどのことでもないのです。
 生島某だけが,妙な空想迷路に迷い込んで周回遅れしているだけなのです。
 

librahack氏に何をさせるつもりだ

 
 アホというか,ゴロツキというか・・・


ベンダーに損害賠償を求めれば良いと考えている。予想では「未必の故意」を認めてしまっているでしょうが、そこは気にすることなく訴えてみればいい。取りあえず、謝罪広告を求める内容証明でも送ってみてはいかがか。
 librahack 氏の故意を認めつつ,警察の捜査に問題が無かったと言いつつ,どうしてベンダーに損害賠償だの謝罪要求だの言えるんでしょうか。車で人を轢いておいて,免許を取り上げられたら,轢かれた人を訴えろ,とでも言っているかのような無茶苦茶な論理です。正気の沙汰とは思えません。
 ちなみにこの生島某という奴は,Twitter でこんなことを投下していました。
 

@Sikushima: 新聞社として、逮捕の事実があって限られた紙面で分かりやすく伝える以上、ある程度の差異は仕方がない。限られた紙面で再び扱いやすいネタにするには@librahack氏が訴えればいい。 #librahack

2010-07-07 10:28:56 via Chromed Bird

@librahack氏は、起訴猶予で調書で認めているはずだから、今から訴えるのは怖いと思うかも知れないが、何の問題もない。もっと早くMDISから謝罪なりが出ると思ったけれど、ないみたいだからこちらから訴えたらいい。 #librahack

2010-07-07 10:35:16 via web to @librahack

@librahack氏は調書で罪を認めているので、訴えたら向こうの弁護士は「言い掛かり」として突いてくるハズだけど、マスコミが動けばベンダーとしては恥ずかしくて言えなくなる。結果、示談になる。公判維持できないので改めて起訴されることもまずない。 #librahack

2010-07-07 11:33:08 via web to @librahack

結局、@librahack氏にも大きな過失はないし、捜査当局にも大きな過失はない。ベンダーが一番悪い。ベンダーに@librahack氏が損害賠償を求めて訴えれば済むんだけどね。@librahack氏の名誉回復ができて、SIerが考え直せば良いだけのこと。 #librahack

2010-07-09 03:54:36 via web

@Vipper_The_NEET 少なくとも、警察よりプロであるべきそれを叩けばいい。@librahack氏が損害賠償を求めて訴えたら、20日間の減収の補填もできる。マスコミも報道しやすいし、SIerにすぐに伝搬する。未知のトラブルにも対応できる。 #librahack

2010-07-09 08:21:14 via web to @Vipper_The_NEET

 
 民事訴訟,まあ言ってみれば損害賠償請求とかですね,そういうのは「不法行為によって受けた損害を弁済させる」ためのもんなんです。
 どんな不法行為があった,と主張するんでしょう。それどころか

訴えたら向こうの弁護士は「言い掛かり」として突いてくるハズだけど、マスコミが動けばベンダーとしては恥ずかしくて言えなくなる。結果、示談になる。公判維持できないので改めて起訴されることもまずない。
 
 どんなゴロツキの言い分ですか。
 先述の通り,生島某の想定するベンダーの謝罪は実現不可能です。仮に現時点の「未必の故意を認めてしまった可能性が充分高い librahack 氏」が「被害届を提出した被害者」である図書館・ベンダーチームに謝罪を求めたとしても,社会がそれを許すと思いますか。
 
 
 

まとめ

 

  • 生島某の主張は事実に基づいていない。( http://librahack.jp 記載の一次情報等との齟齬が大きい )
  • 生島某の主張は社会常識に基づいていない。(訴訟ゴロめいた言動,無碍の市民を犯罪者呼ばわり等)
  • 生島某の主張は librahack 氏の名誉を毀損する。(故意に第三者のサーバを止めたと吹聴)
  • 生島某の主張するベンダー批判そのものは否定されていない。(むしろ当然すぎて話題にならない)

 

  • 岡崎市立図書館は,可能な限り三菱電機インフォメーションシステムズと協力し,システムの改善またはアクセスコントロールを行うべきだった。
  • 三菱電機インフォメーションシステムズは,librahack 氏のクローラが攻撃的でないことを説明すべきだった
    • とはいえ,蚊帳の外だった可能性も否定できない
    • でも同じくらい,図書館と密接な関係にあった(サーバ運用を一式コントロールしていた)可能性もある
  • librahack 氏は,もう少し注意深くクローラを運転すべきだった(過失による民事責任を負うと考えられる)
  • librahack 氏には,刑事責任はなかったと考えるのが妥当
  • 警察は,証拠を適切に吟味し,librahack 氏に故意が無いことを確認すべきだった
  • 警察は,いきなり逮捕に踏み切るのではなく,librahack 氏に事情を訊くべきだった
  • 警察は20日に渡る勾留の中,故意または未必の故意を満たす調書を作成すべきではなかった(自白の強要が疑われる)

 
 

  • というか,生島某はそんなにベンダー批判したければベンダーに公開質問投げるとか新聞に投書するとかもっと効率的にガンバレよ
  • ネットの片隅でキャンキャン吠えてる暇があったら librahack 氏に民事訴訟の支援でもしてやれよ
  • ってか,結局何がしたいの生島チャンは?って疑問が。
    • 怒らないから正直に言ってごらん。嘲笑うかもしれないけど。

 
 
 
 
 
 librahack 氏のクローラは,比較的おとなしいものでした。
 フリーソフトの WEB ダウンローダに,GetHTMLW というものがあります。標準でウエイトなし,4つの並列ダウンロードを行います。librahack 氏のクローラはこれと比べて非常におとなしい,行儀のよいものだったことがわかります。
 ダイヤルアップの時代から,WEB サイトをまるごと「テレホタイム」にダウンロードしておき,あとで見るという運用は存在しました。
 ごくごく常識的に,10年以上前から WEB クローラは存在し,運用されていました。
 
 警察がクローラのことを知っていたら。WEB サイトがふつうは平均して1秒1アクセス程度のアクセスでダウンする設計なんてありえないことを知っていたら,こんな悲劇には繋がらなかったでしょう。
 
 被害届が出たのも少しおかしい。それは真です。
 警察の対応はかなりおかしい。これも真です。
 ですから,どちらにも,スキルアップしてもらいたい。ふつうはそう考えます。
 そして,今回の案件においては,今わかる範囲の情報をもとにすれば,図書館とベンダーの対応もまずいけど,ミスの多さと影響範囲でいけば,警察にちょっと考え直してもらったほうがいいんじゃないかなあ,と,そう思うのです。
 なにせ,公権力ですから,慎重に運用されなければなりません。警察は大きな権力を持っています。当然,適切かつ慎重に運用されなければなりません。
 それができていなかったから,批判されているのです。
 

参考

 
 librahack 氏による,岡崎市立図書館事件のまとめ
 http://librahack.jp/
 
 SQLer 生島勘富 の日記 - 岡崎図書館事件について
 http://d.hatena.ne.jp/Sikushima/20100710/1278749725
 
 株式会社ジーワンシステム(生島勘富が代表を務めるシステム製作会社)
 http://www.g1sys.co.jp/
 
 GetHTMLW の紹介ページ(Vector
 http://www.vector.co.jp/soft/win95/net/se077067.html
 
 #librahack での議論のひとこま
 http://togetter.com/li/34321
 
 kozawa のたまに気になること - 岡崎図書館事件についての生島氏の見解とは何なのか
 http://kozawa.jugem.cc/?eid=514
 
 高木先生の記事「岡崎図書館事件について その1」
 http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20100710.html#p01
 

*1:コメント削除に際して「言語能力に難アリ」とか唾吐きやがった

 生島某が答えにくそうな問いかけとか。

 
・あなたの主張通りlibrahack氏がサーバ止まってるのを解っててスクリプトを修正しなかった(=未必の故意)うえに,20日間に渡って否認していたというのなら,librahack氏が未必の故意によって犯罪を構成する要件は満たされるので,「ベンダーが攻撃だと判断して被害届を出した」ならその判断は結果的に「正しかった」のでは?

librahack氏の名誉を回復するために「ベンダーが謝罪する」ということは,あなたの主張通りベンダーの判断が結果的に正しかったのであれば「librahack氏が犯罪を犯したことは事実として,被害届から逮捕に至らせたことを謝罪」することになり,これは「今後攻撃があって被害届を出しても攻撃者から逆に民事で訴追される可能性」を生み,IT業界の健全な成長にとってマイナスなのでは?

・あなたの主張通り「librahack氏は未必の故意をもって岡崎市立図書館のサーバを21回に渡って停止させた」と流布することは,librahack氏の名誉回復に寄与する行為ですか?

・あなたの主張に基づき上記の通りベンダーの判断が正しかったとすれば,本件「再発防止」はIT業界の認識を変えることではなく,WAF等適切なソリューションの適用等の技術的対策の実施普及が合理的では?

・ベンダーが判断を誤って被害届を出した(被害届の提出そのものが誤り)のであれば,librahack氏に故意は無かった(犯罪を構成する要素に欠ける。犯罪の要素を満たすための故意があれば,ベンダーの判断を誤りと断ずることができない)ことになります。この場合「逮捕は仕方ない(警察の問題ではない)」セクションのあなたの記述が大きく矛盾しますがお気づきですか?

librahack氏が犯罪を犯したのであれば,彼が逮捕勾留されたことによって受けた損害は自業自得なわけで,それじゃあ「ベンダーを訴える」わけにはいかないのでは?仮に訴えるとしたら訴訟ゴロまがいの行為になりはしませんか?

librahack氏が犯罪を犯したのではなく,(未必の)故意を「認めさせられた」のであれば,librahack氏は被害届を出したベンダーと共に,不利益な前歴をつけられた起訴猶予処分を不服として「警察も」訴えるべきでは?

・ここまでの質問において明らかなように,あなたの主張の「ベンダーが攻撃であると誤って被害届を出した」と「librahack氏は(未必の)故意に基づいてサーバを停止させた」が共に真であることが不可能,つまり矛盾していることにお気づきですか?

・仮に電車の中で痴漢と間違えられて腕を捕まれたとき,あなたは諦めますか?

・あなたの主張通りベンダーが誤って被害届を出し,つまりlibrahack氏が実は犯罪を犯しておらず,それでいて(未必の)故意を認めさせられていたとしたら,警察の対応に問題は無かったと言えますか?

・であれば,ベンダー同様に「警察も」批判に晒されるのは当然ではありませんか?

・ここまでの質問で明らかなように,ベンダーが批判されるべきである場合は,librahack氏が無実の罪を着せられた場合に限るのでは?

・あなたの主張における「ベンダーが攻撃だと判断」と「librahack氏に未必の故意があった」が共に真であれば,librahack氏に回復すべき名誉はなく,正しい判断を下した「ベンダーは批判されるべきではない」のでは?

・ここまでの質問において明らかなように,あなたの主張で「ベンダーは誤った(文面どおり)」と「ベンダーは正しかった(librahack氏に(未必の)故意があったとの主張から導かれる)」の両方が導かれます。矛盾しているとは思いませんか?

・下のほうで「警察は独自判断しちゃらめえ」みたいなことTweetしてますが,「法人だったら逮捕しないよ」って警察の独自判断じゃないんすかね。矛盾してませんか?それともIT技術に基づかない独自判断ならオッケーウェルカムなんでしょうか?そういうのってダブルスタンダードって言うんですけど知っていますか?

 じゃあ岡崎市立図書館の件についてたりきはどう考えてんだYO!

 
 まず,全てが不幸なめぐり合わせだったと考えている。貧相なサーバ,何故か出しちゃった被害届,突然の家宅捜索と逮捕,20日間の勾留,送検,起訴猶予処分。
 全部にミスがあって,どこが一番悪いとかじゃない。強いて言えば,最も権力のある警察の対応がマズい。
 
 なんたって,上のほうで書いた通り,犯罪を構成しないはずの案件において,愛知県警は立件しちゃった。それがまず一番マズいと考えている。
 警察は証拠を吟味したうえで,もっと慎重にいくべきだったと思っている。逮捕・勾留の権限を行使する前に,できるだけの捜査をするべきだった。そして,捜査の段階で,証拠を吟味するのに充分な知見を持っておくべきだった。
 業務妨害の要件は,業務が妨害されたという事実と,妨害したという行為,妨害するという意図(故意または未必の故意)が必要になる。このうち,故意が満たされない。
 警察的には「動機が見当たらない」という状態になっていたはずだ。普段から Libra を利用しているユーザで,Libra を止める合理的理由がない。むりにこじつけて理由をつけたとしても,事情聴取ですぐに本当の動機がわかる。
 それは「自分専用の図書館蔵書サイトを作りたかった」というもの。スクリプトはその目的に叶うものであったし,品質は個人で使うのに十分だったのだろう。
 
 どこから見ても逮捕に至る理由が無い。そもそも librahack 氏には動機が無いし,スクリプトを証拠物件として抑えればごく普通の WEB 系アプリとしてはかなり安全側に倒した設計と運用になっていたことがわかるはずだ。
 
 もちろん,警察が独自に分析までやれとは言わない。必要に応じて第三者機関の手を借りればいい。
 
 最大の問題は。
 librahack 氏に(未必の)故意がないにも関わらず,嫌疑不十分(=犯罪ではない)とならず,起訴猶予処分(=犯罪だけど情状酌量して起訴しないよ)となったこと,だろう。
 20日間に渡る取り調べの結果,送検されて起訴猶予処分になっちゃった。前歴がついて,履歴書に書かなきゃいけなくなった。
 それって嬉しくないよね,ってこと。警察は被害届の主体が法人だろうが個人だろうが必要なら捜査をします。当然だよね。で,被疑者の事情聴取とか,証拠固めとか,そういうことが行われる。
 そのとき,「警察が充分な知見をもっていないせいで証拠の吟味が不十分であった場合に,被害者保護を口実に加害者を仕立て上げるのではないか」という危惧が,現実のものになっているように見える。
 
 被害届や告訴状を出すなとは言えない。もちろん技術的にフォローアップできる範囲は,技術的にケリをつけるべき話だと思う。もっと言えば,本件においてはアクセスログから利用者がすぐ紐付いたであろうことは容易に想像できる案件であり,ならばこそ,「ちょっと迷惑なんだけど?」と警告するくらいはしてもよかったのではないか,と思うのだよ。
 
 いきなり被害届よくない。
 ろくな捜査ができないのもよくない。
 いきなり逮捕もちょっとなんとかならんか。
 20日も拘束して無理矢理調書作ったんじゃないのか。
 librahack 氏には確かに「過失によってサーバを止めた民事責任」はある。でも故意じゃない。未必の故意でもない。刑事責任は無いはず。
 確かに被害届の出し方はイタい。けど,警察の対応はもっともっとイタかった。
 
 だから,被害者側の対応が大雑把過ぎるのは折込済みとしてなお,警察にも,最低限の知見は持ってもらいたい,それに基づいて立件判断を下して頂きたい,そう思うわけだ。
 
 警察だけに技術つけろと言っているわけじゃない。
 警察「にも」そこそこの技術くらいは持っていてもらいたい,かつ,必要に応じて第三者機関の手を借りてもらえばいい。そのとき,分析結果を読める程度には,技術的知見を持っていてもらいたい。
 
 そう考えているのだよ。