うーん

 
 おいらが念頭においたのは NPT ね。
 西側っつうか自由主義陣営っつうか資本主義社会つか、それらが加盟してるアレ。
 
 一応、日本も加盟国なわけよ。
 
 その状態で日本が核を持つ。うまくやれば賛同も得られるとは思うけどさ。でも、日本がここで核保有に走る旨味がいまいち見えてこないのよね。
 たぶん作れと言われたら、今年度中には「弾頭はあるけど持っていくミサイルが足りません」なくらいには作れたりするんじゃないかと思うのよ。わりと安いコストで。
 んでも、それやっちゃうと NPT が形骸化しちまう。
 
 だから、もう一度落とされようがなんだろうが、俺がこの場所で焼かれようが、持つべきじゃないと思っているわけだ。
 日本が核を持つってことは、イコール大陸弾道弾作れる国、世界第二位の軍事力と評される国が核を新たに持つってことだからこそ、持つことによるリスクが大きいんじゃないかと思うわけよ。
 
 困難な道のりではあるだろうけど、やられた兵器を持たないままで、NPT 遵守したままで相応の国際貢献ができたなら、それがそのまま核を持たないでもやっていけることの証明になりうると考えたのね。
 NPT が無かったら、持つほうがいいと思う。んでも、今は NPT があるし、日本も加盟してる。その状況下では、今核を持つことはよろしくない。少なくとも NPT 加盟国を敵にまわすリスクと北の攻撃を秤にかけたら、今はまだ前者のほうが大きい。
 
 持てるけど持たないってところで、国際社会にその理由を積極的に理解させるほうがいいと思うのよ。
 
 今、NPT シカトぶっこいて核を持とうとしたら、北と大差ない評価を下されても仕方が無い。それは国益に逆らうんじゃなかろうか。
 条約は守る。国際社会での最低限のルールなわけよ。中国やロシアが北を擁護しなけりゃならない理由でもあるし、北がここまで孤立したのはそのルールを遵守しなかったせいでもある。条約ひとつで西側諸国と袂を別つってのはオイシくない。正直なところ、俺が核で焼かれたとしても、日本国そのものが国際的に正しい道に居座れるならそれでもいい。後に続く子供らが国際社会の孤児にならず、連合国側にいられるならな。日本は国際社会の一員であって、その有力な構成員でもある。能力に見合った発言力を得られるならその人柱になってもかまわん。短期的には核の保有で防衛力と発言力を増せるかもしれないけど、長期的には NPT を死文化してしまう可能性が高いし、西側諸国の合意を得られる可能性も低いんじゃないかと思ってしまう。
 
 とはいえ米国なりが核で報復するのを止められるとは思わん('A`)
 が、米国は核を使えんとも思う。下手に使えば支那かロシアあたりが使わざるを得なくなる可能性があるから。核の撃ち合いは誰も望んじゃいないだろう。そもそも撃ち合いにならないってのが核の抑止力なわけだし。
 
 核ナシの外交努力で少なくともテポドン2以後影響力を発揮し続けてきている。既存の NPT なり国連なりをまず使い切って、それからでも今の日本の技術力と経済力なら対応できると思うんだが、どうよ。
 
 なんにしろ、日本が核武装まで考えなきゃいけないような目に遭うのは北の金のせいだと思うと腹立たしい。個人的には暗殺でも空爆でもなんでもいいから奴ら一族を皆殺しにしてでも北の国民を救ってやるべきだと思うけど、パワーバランス考えたらそう簡単にはいくまいて。
 まったりぬこ写真眺めてニヤニヤしてられるのが一番いい。そのためには日本がそれなりに承認された状態ってのが望ましいし、根本的には国際社会の様々な条件に従うほうがいい。となると、今核を持つより、持たないままでなんとかするほうがベターなんじゃないかなってところ。
 
 それでも、準備は必要かもしれんなあ。
 持とうと思えば持てる、持つことは可能だっていう合意のもと、それでも持たないっていう選択をしておいて、かつ、いつでも持てる体制を維持しておく。
 核爆発そのものを伴わなくても、中長距離ミサイルに核物質を搭載できるだけでも相応のインパクトをもたらせるし。まずは「持てるけど持たないんだよ」っていう姿勢を明らかにするべきだな。
 持つだけの能力はある、でも NPT 遵守してるんだよ。その姿勢が無いと国際社会の支持は得られないと思われる。
 
 
 もうひとつ追記するとすれば、北に対して核は反撃の手段にはなりえても抑止力にはなりえないと思ったり。
 すでに北は米国からの通達なり圧力なりをシカトぶっこいてるわけで。
 核が抑止力となりうるのは理性的な国家が相手のときだけだよ。北のようなキチガイが主導している国を相手にするときに核は単なる攻撃力の高いミサイルでしかない。
 なら、なおのこと国際条約を遵守する立場を用いて国際世論のバックアップを受けつつ、同盟国を引き付けていくべきだと思うのよ。
 
 そのための日米同盟だろ、と。