スパムメールは送るだけ損

 
 なんでやねん。というところから。
 スパム(いわゆる迷惑広告メール)は送るだけ損、というのは、スパムで宣伝を行うとそれだけで信頼性を損ない評判を落としてしまう事になるからだ。
 
 その理由を列挙してみよう。
 
 まず第一に、スパムメールで送られてきた宣伝によって誘導される先のサイトはそのほとんどにおいてセキュリティレベルが極めて低い。
 ふーん、儲かるんだってことで登録しようとするとたいてい壊れる。
 
 第二に、スパムに答えて個人情報を与えることはそれだけでスパムを増やす事になる。
 配信停止を行おうとしても、その配信停止を行ったメールアドレスは次の点で価値が上がる。ひとつは「スパムメールであっても読まれるアドレス」であり、もうひとつは「生きているアドレス」だ。現行の法では配信停止アドレスに対して再度配信することは禁止と謳われているが、得られた生存アドレスのリストの転売は許されている。反応すること自体がスパマーに利益を与えていることを理解すれば反応するユーザーはいなくなり、スパムの送信に意味は無くなるだけでなく、第一の理由に挙げた事項により単に「ここもセキュリティがなってないんじゃないの?」というイメージを与えることになって結果的にスパムを送った事業者は損をする。
 当然の事だが、申し込み登録などをしてしまうと「スパムのような広告にさえ反応する馬鹿なユーザ」として記録されてしまう。そのリストはカモリストとして高い価値を持つだろう。
 
 第三に、第一と第二の事項とも関連するけど、容易に個人情報の収集を試みる事が可能となる点。セキュリティレベルの低いサイトを踏み台にクロスサイトスクリプティング脆弱性や侵入後に設置したフォームなどを使う事で、簡単にメールアドレスを始めとして個人情報を収集できる。スパムによる広告は詐欺だと思って間違いない。まともに商売をする気があるなら嫌われる事がわかっているスパムにいまさら手を出すはずがない。まともに広告を打てない詐欺行為だからこそスパムを使わざるを得ないのだ。
 
 第四に、スパマーが好んで使うサーバはそれだけでイメージが低下するため、まともな利用者は離れていく。スパマーは身元を隠そうとする傾向があるため、下手をすると利用料金の徴収にも差し支えるだろう。プロパイダやレンタルサーバ事業者にとっても好ましい客ではないため、スパマーであることが判明した時点でアカウントの停止などの措置を取られることになる。
 短期間でコンテンツを移転することになり、スパムを送りつづけることは初期費用を何度も支払う事になって損をする。
 
 第五に、これらの損を理解できず繰り返しスパムを発信する事業者はそれだけで馬鹿だとわかる。馬鹿相手にカネを払うユーザはそれ以上に馬鹿だけとなる。実に効率が悪い。ま、馬鹿にはわかんねえんだろうけど。
 
 つことで、スパムは送っても反応しても損なのだよ。メールの大量発信はコストが安いが、リスクも大きいってことだね。よほどの初心者か世間知らずでないかぎりひっかからない。
 スパムは詐欺広告であり、セキュリティレベルが低いため反応しないこと。わざわざリストの価値を上げてやる義理はないことを理解しよう。
 スパムを送ることは詐欺だと思われ、信頼感を損ねる愚かな行為だと理解しよう。