MDIS が謝罪したようです

 
 http://bakera.jp/ebi/topic/4298

※後半の個人情報流出に関しては、私はよく知らないのでとりあえずノーコメントで。たぶんたりきさんがコメントされるでしょう。:-)

 Σ(゚д゚ノ)ノ
 
 呼ばれたのでコメントしますとですね。
 えーと,忙しくてろくに見てませんでした。わらい。
 
 それだけじゃなんなので,あちこちで記事になったのを今更ながら読んでみたわけですが,酷いものです。何が酷いって,お前らこの期に及んで事実を正しく把握してないだろと。
 端的に指摘しておきますと,まずこの図というかスライドというか,Internet Watch から引用します。
 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20101130_410564.html
 http://internet.watch.impress.co.jp/img/iw/docs/410/564/html/mdis3.jpg.html
 
 A図書館は人数からし岡崎市立中央図書館,B図書館が中野区立図書館,C図書館がえびの市民図書館です。二つ間違いがありますね。
 まず,岡崎市立中央図書館は2005年の導入です。(当時は岡崎市立図書館でした)
 中野区立図書館は2003年の導入なので,A図書館とB図書館の順序が違います。
 また,C図書館以外にも篠栗町からデータがダウンロードできるようになっていました。栗山町もAnonymousFTP状態だったことがわかっています。
 
 まじめにやってりゃあ発表資料で時系列間違うようなミスしませんよ( ´ー`)y-~~~
 チェック能力が根本的に欠けている証左でしょうね。それともMDISは時空を超える能力でも持っているんでしょうか。怖いですね。
 あるいは導入後も個人情報を埋め込む作業をしていたとでも言うのでしょうか。だとしたらそのように発表すべきですので,これもまた発表内容が間違っていることになります。
 
 正しく並べておきましょう。
 個人情報の漏えいは,「MDISが個人情報を持ち出した」時点で発生しています。
 持ち出されたデータは,中野区と岡崎市では mdb ファイルの形になっていました。Microsoft Access Database File です。データそのものと言っても過言ではありません。間違って持ち出したとか言い訳になりません。データベースのデータ領域を持ち出すときに,入れたデータを消してないとか論外です。さらに実データ使っておきながら「気づかず持ち出した」とかどんな鳥頭ですか。しかも複数個所で数年がかりで。そんなもん気づかず持ち出したんじゃなくて知ってて持ち出したとしか考えられませんよ。
 
 中野区のデータファイルの時系列を報告書にまとめてありましたので書いておきます。
 データテーブルが作られたのは2003年10月29日18:49:00です。その後データが取り込まれ,確定したのが2003年11月13日10:19:54です。さらに,格納したデータを使って印刷するマクロ,選択クエリ等は次のようになっていました。テーブルの作成から順に時系列で列挙します。

  • テーブルの作成
    • 2003年10月29日18:49:00
  • データの確定(個人情報の格納)
    • 2003年11月13日10:19:54
  • 選択クエリの作成
    • 2003年11月13日10:29:25
  • 選択クエリの確定
    • 2001年11月13日10:30:10
  • AutoExecマクロ(mdbを開くと自動的に動作するプログラム)の作成
    • 2003年11月20日13:12:26
  • AutoExecマクロの確定
    • 2003年11月20日13:26:26
  • レポート(印刷用フォーム)の作成
    • 2003年11月20日13:21:26
  • レポートの確定
    • 2003年12月01日14:08:03

 この通り,「印刷フォームやプログラムを作る前にデータを格納している」ことがわかります。「実地で実験やテストをして,個人情報が含まれていることに気づかず持ち帰った」というシナリオはありえません。ありえるとしたら,まり一ヶ月間個人情報を使ってプログラムの作成やテストをしておきながら,最終日に都合よく個人情報のことを忘れて持ち帰ったことになります。
 
 100%故意で間違いないでしょう。
 
 岡崎市の例も挙げておきます。

  • テーブルの作成
    • 2005年06月30日15:43:01
  • データの確定(個人情報の格納)
    • 2005年06月30日15:43:01
  • 「延滞予約本リスト」マクロの作成
    • 2000年08月31日14:11:55
  • 「延滞予約本リスト」マクロの確定
    • 2005年05月09日18:49:30
  • AutoExecマクロ(mdbを開くと自動的に動作するプログラム)の作成
    • 2000年08月31日14:11:55
  • AutoExecマクロの確定
    • 2005年05月09日18:49:52
  • レポート(印刷用フォーム)の作成
    • 2005年05月09日18:50:13
  • レポートの確定
    • 2005年07月01日09:36:49

 こちらはテストっぽい時系列ですが,6月30日にデータを格納して翌日テスト印刷を行い,これまた都合よく個人情報のことを忘れて持ち帰ったというのは苦しい言い訳でしょう。
 
 こちらも故意と見るほうが自然です。
 
 要するにですね。謝罪会見の場でもウソをついてるってことですよ。故意にウソをついてるわけじゃないんだったらろくすっぽ調査もしていないってことですよ。どちらにしろ「適当に頭下げておけばいいんだろ」程度にしか考えてないんじゃないスかね?危機管理が全くなっていない。
 
 社長が頭を下げるってのは確かに大変なことですが,ただ頭を下げただけじゃ何の価値もないんですよ。頭を下げるだけならタダですからね。
 キッチリ調査して,根本的な対策を立てて,それから出直してください。
 真摯な対応をしていきたい? どの口が言うか。
 
 ただ「謝りました」という体裁をとるために社長の頭を下げただけで中身が全く無い。例え土下座したところで中身が無い以上は意味も無い。
 
 とりあえず,他社系の,たとえば野村総研でもいい,コンサル入れてまともに調査して対策を指導してもらいなさい。少なくともあんたらに自浄作用を期待できるだけの能力が無いってことは明確になったんだから,第三者入れなさい。その上でもう一度しっかり会見しなさい。