あ,それだ

 
 一部のよくわかってない子が「警察に技術力があって『それ民事で』みたいに被害届を却下することがあってはならない」と言い張っていることに感覚的に誤りを感知して否定していたけど,その根っこの部分でどんな事例だったか具体的によく思い出せずにいたところ,ひろみちゅ先生がぬるりと提示していた。
 
 TBC 個人情報漏洩事件。
 
 あれに端を発した?,公開ディレクトリにあるデータファイルを持っていかれる事件がさんざっぱらあった。2ちゃんねるで盛り上がったことは覚えていたが何だったかを具体的に思い出せていなかった。
 あれも不正アクセスだとしてさんざんに被害届が出されたものを,警察は一気に却下したものだった。そうそう,それがあったから気になっていたんだ。
 警察は最低限,法を解釈して適用するに必要な技術力を持っていなければならない。それは時として高度に専門的になることがあるだろうから,あまりに高度な仕事は専門家に任せて分析結果だけを得ればよいとして,並の事柄であれば自力で分析でき,かつ,得た分析結果について正しく判断できることが必要だろう。
 
 岡崎市立中央図書館事件においても,ごくヌルいクローラであったことは初期に見抜けたはずだ。
 警察は今回,サーバが停止したという事象(停止してはいないが)とクローラを走らせたという行為を紐付けて,IP アドレス制限や URL 自動生成に対応してクロールを実施し続けたことに故意を認めて家宅捜索に踏み切り,librahack 氏が犯意を否定したことから逮捕状を請求して逮捕に踏み切った。
 初期の段階でヌルいクローラであることを見抜けていれば,公開ディレクトリにデータファイルを置いていたのと同じように,サーバ側に問題があると疑えたのではないだろうか。
 
 もちろん,これも私が嫌う「後出しジャンケン」にすぎない。
 
 実際の捜査においてどのように調べが進んだのか,逮捕後の勾留でどのような取り調べがあったのか,そのあたりも明確にはなっていない。突っ込んで言えば,クローラの実体も明らかではない。
 
 もう少し事実関係をしっかり調べないと,事件そのものの流れはまだよくわからないけれど。
 とりあえず,警察は必要な技術力を備えておくことが望まれている,ということだけは,確かなことだと言える。