私が iPad を買わない七つの理由

 
 うん。買わないことに決めたんで。
 

1:大きすぎる,重すぎる

 
 サイズが大きすぎる。確かに厚みは少ないが,所詮「ディスプレイだけ」だから薄くて当然。しかし,電子ブックのビューアとして考えると,デカい。A4 サイズというのは確かにデカい。
 考えてみよう。iPad をモバイル用途で使うことが想像できるか?
 あのサイズと重量を片手で支えるのかい? 両手で支えることになるだろう?
 それなら,ネットブックで充分だとは思わないか?
 

2:キーボードがない

 
 ソフトウェアキーボードだって?馬鹿げてるね!
 

3:Flash に対応していない

 
 現存コンテンツを再利用できないなんて狂ってる。HTML5 が素晴らしいのはわかっているが,過渡期には両方に対応していることが望ましい。
 今まで閲覧できていたコンテンツが閲覧できなくなるなんて耐えられないね。せめて FireFox とアドオンの Flash プレーヤでも使えれば考えなくもないけれど。
 

4:セキュリティアップデートに対する不安

 
 マイクロソフトはさんざんに叩かれて Microsoft Update にたどり着いた。ほとんどの Linux ディストリビューションは何らかのパッケージ管理ツールを備えている。なのに,Apple はいまだにマイナーバージョンアップした OS をパッケージで別売りしている。ベンダーに対する信頼感がまるでちがう。
 そもそも,iPadiOS をどうやってアップデートするっていうんだ?母艦を通して?それともアップルストアからアップデータを配布する?スマートじゃないね。
 

5:コンテンツに対する検閲

 
 JailBreak していない限り,自由にソフトウェアをインストールすることすらままならない。たいていの場合,ソフトウェアを配布するにはアップルストアにソフトウェアを並べなきゃいけない。しかも,アップルの検閲を受けなきゃならない。そんなの馬鹿げているね。ソフトウェアは自由に作られ,自由に配布され,自由に利用されるべきだ。アップルのやりかたはその全てに逆らう。
 

6:拡張性が皆無

 
 デザインを優先するのはかまわない。なら,拡張端子の存在をデザインにうまく取り込んで見せてくれ。USB デバイスすらそのまま接続できないなんて正気の沙汰じゃない。
 

7:SIM ロック

 
 どうして今まで使っていた回線をそのまま使えないんだ?
 Wi-Fi モデルを買えって? いやなこった。ちょっと気の効いたネットブックならデータカードを挿入してすぐにダイヤルアップできるっていうのに。どうしてわざわざ不便なやりかたをしなきゃいけないんだ?
 

新しいユーザ体験・・・?そんなの,お祈りしてトランス状態になってるようなものじゃないの?

 
 ざっくり七つの理由を挙げたけど,もっとどうでもいい問題もある。たとえば,信者がキモすぎて同列に見られたくない,とかね。
 iPad ができることは既存のデバイスで全部できる。違うのはマルチタップで拡大縮小できるとか,回転すると表示の向きが自動的に変わるとか,せいぜいその程度でしかない。操作方法が違うだけで内容はおなじ。
 単なる電子ブックビューアとしてなら高すぎるし。コンピュータとしては中途半端すぎる。拡張性を諦めさせるには機能が半端だし,なにより気に入らないのはコンテンツやソフトウェアがアップルストア経由じゃなきゃ手に入らないってこと。
 iPad を買うことは,俺にとっては「Apple 教団に帰依すること」と同列なんだ。なにかを手に入れるたびに,なにかをするたびに教団にお布施をするなんてまっぴらごめんだね。
 
 だから,iPad を買わないことにした。
 WindowsLinux を使っているほうがはるかに自由で気ままで,ずっと安心だからね。
 
 「自炊」して PDF を作ってるみんな。その PDF,ネットブックでも結構快適に寝転んで読めるよ?