バナー

 
 まとめにも書いてあるように、バナー隠しはあくまでも管理者側の安心感を得るためのものでしかないのです。攻撃者側はバナーなぞ「あれば次に調べる手順が一個飛ばせる」程度のものでしかないしそもそも見てない人が大半のようだし。
 バナーを隠すことは決してセキュリティ対策ではなく、攻撃者に何らかの影響を与えるものでもないのです。つまり、バージョンを隠して一時凌ぎをしたつもりになることこそが危険なので、パッチを当てられない事情をまず解消することが先なのです。でなければいずれにしろ攻撃されて沈みます。バナー情報を取得するのと同じ手間で、別のツールのボタンを押せばバックドアの設置までできるご時世ですよ。バナーを隠すことにセキュリティ上の意味などありゃしません。たまたまバージョン見るワームを回避できたからって脆弱性に対処できたわけじゃないですし。
 
 管理者の安心材料としてバナー隠しは有効かもしれませんが、利用者や攻撃者にとっては何の意味もありません。むしろ対策した気になってしまう、仕方が無いからパッチを当てる代わりにバナーを隠してなんとか「ごまかせたつもりになってしまう」ことが危険なのです。
 
 そもそも RedHat 系だったか、Linux ディストリによってはパッチ当ててもバージョン情報に出なかったりするのもいますので、バナーを重視することそのものがなんていうか的外れなのですよ。
 
 ただし、先日書いた通り、バナーを隠す設定がセキュリティ方針として定められているのであればそうするべきです。運用のルールは守らなければなりません。