洋食も諦めない
パスタそのものには塩分が無い。
茹でるときに塩を投入するわけだけど、投入しなくても実は茹でられる。
あとは味付けの問題だけど、ニンニクと胡椒とバジルあたりのハーブでそれっぽくできる。なんせオリーブオイルだけでも食えるのがパスタだ。
中華そばもうどんも素麺も塩気が多すぎてもう食えないから、きっとパスタもダメなんだろうと思ってたけど嬉しい誤算だ。
パスタにはハーブが合う。塩がなくてもガーリックが使える。スパイスとハーブでおいしく食べられる。
ありがとうイタリア。さすが元同盟国。
トマトソースも無塩でできる見込みができた。マヨネーズもケチャップも意外と塩分は低いから、パスタサラダもできるしなつかしのイタリアンもできる。ミンチとトマトソースで、ミートソースだってできるんだ。メジャーなスパゲティのメニューはちゃんと食べられる。素晴らしいよイタリア。できれば昼休みを三時間取ってシエスタと洒落込みたいところだけどさすがにそれは無理なので諦めるとしてもイタリアすげえ。
そうだ、ラザニアだってきっとできるぞ。
大丈夫だ。手間は五倍になっても、作れる料理の種類だけなら前と変わらないかもしれない。
晩飯を楽しめるぞ。味気ないなんてことはない。
カレーパスタだってできるんだ。バジルを効かせてもいい。
カレーベースのインド系にパスタベースのイタリア系、焼き物煮物の和物だってできる。酢の物和え物だって塩ナシでも作れるようになってきた。漬物だってレモンとはちみつに鷹のツメでそれなりにできそうだ。
なんだよ、なんだってできるじゃないか。
誰かが仕込んだ出来合いの加工食品を使わずに自分でやればいいんだ。
どうせ誰かに食べさせるとかじゃないんだ。失敗してマズくなっても誰にも迷惑になりゃしない。
俺が旨く食える、塩分と動物性脂肪をカットした晩飯を作ればいい。
簡単じゃないか。一人暮らしの野郎が包丁を何本も持って研ぎながら使って、鍋もフライパンもサイズ違いで準備したのは晩飯を作るためだ。
スパイスだって揃ってきた。思う存分スパイス調合にハマればいいんだ。カレーだけに留まらず。
大丈夫だ。やれる。