紅客陥落

 
 2ちゃんねるニュー速VIP発祥の文化交流団(笑)が日本のサーバに攻撃を仕掛けていた紅客のコミュニティを破壊しますた。
 現在紅客は迷走中。ちゃねら、というより VIPPER おそるべし(笑
 文化交流目的だったのはガチ。田代砲と称される DDoS ツールやその派生品は基本的に使わない。掲示板に対して事実を淡々と書き込むだけだ。文化大革命チベット問題、情報統制。中国政府はすでに賠償請求権を放棄している事*1や日本が公式に数十回に渡り謝罪してきたこと、今でも ODA世界銀行を通じての支援という形で実質的な賠償を続けている事。靖国A級戦犯はそもそも不当裁判*2で有罪を宣告されたこと、すでに名誉回復がはかられつつあること、日本の文化背景では「死者は平等に神(仏)となる」こと。そしてなにより日本の教科書は戦争を美化せず、むしろ自虐的に教えている事。
 ABCD包囲網による経済封鎖の中、日清戦争等で(当時において)合法的に得た大陸での権益を捨てるようハルノートで突きつけられ、黙って滅ぶか戦って滅ぶかの選択に追い詰められながらギリギリまで和平交渉を試みた政府内の動きについてはほとんど触れられず、満州建国から満州建国を起点にして太平洋戦争までを連続した*3侵略だったと教えられている。
 東京裁判自体も、唯一検事としての資格を持っていたインドのパール検事が日本を無罪だと断言し、マッカーサーですら「東京裁判は誤りである」と証言している。でもそのことは教科書で触れられてないんじゃないかな。
 そもそも戦争に負けたのかどうかも怪しいところ。降伏文書に調印したんで法的・公的には敗戦してるんだけど、戦争目的はシッカリ果たしている。あの戦争の目的ってなんだと思う?
 侵略?違うよ。それはアジアを侵略して植民地にしていた事を正当化したかった人の言い分。まあ、変に緒戦連勝しちゃって盛り上がってよせばいいのに突っ走ったのは侵略の謗りを免れない行為だと思う。はじめから物量で負けてるんだからさっさと講和しちゃえばよかったんだけどね。そのへんのタイミングを逸してからはグダグダだったんだろうなあ。
 
 閑話休題。あの戦争の目的に戻ろう。
 
 まず、日本の国を存続させること。これは今でも日本があることから達成された事は明白だね。
 次に、アジアの独立を促す事。大東亜共栄圏の第一歩だ。当時、植民地政策を取っていた欧米諸国の支配下にあったアジア各国は日本の導きや、そこまで明確でなくても影響を受けて独立を果たした。その結果、欧米の侵略を受けて占領下に置かれていたアジアは開放されることになる。今ではアジアは経済上の結びつきを強めつつある。結果的に「大東亜共栄圏」は実現しつつあるんじゃないか?
 さらに軍事的な安定。敗戦後、日米同盟のもとで日本は極めて安定した軍事状態にある。米軍が日本に駐留していなかったら、あるいは日米同盟が無かったら、日本は中韓とにらみ合って、何度かドンパチやってたかもしれないね。
 まだある。日本の経済的安定と発展だ。ABCD包囲網を脱して資源を確保したうえで経済を安定させたいという思惑。今、日本は経済大国と言われるようになった。目的は果たせたね。
 
 降伏後60年かけて、日本は軍事力以外の方法であの戦争の目的を達成しちゃったんだ。靖国に不戦の誓いをたてながら、国を想って死んだ先人達の遺志を継いだわけだ。
 だからもう日本は戦争しなくてもいい。負けたはずの戦争で目指した目的を戦争しないまま達成できたノウハウがある。だから自分から戦争を仕掛けることはしない。戦争しなくても目的を達成できるから。
 
 だから今回の反日デモ関連にしても、日本はわりあい冷静だった。まあ誰もが中国にはムカついただろうけど、基本的には中国の不細工なやりかたに苦笑いしてたと思う。それは平和裏に(実際にはものすごい困難だっただろうけど)戦争目的に匹敵する実績を挙げた国の人間だからこそ、なんじゃないかな。
 
 VIPPER に戻ろう。彼らはサーバをダウンさせる、という方法は好まなかった。まあ、VIPPER の統制は事実上不可能なんで最後には掲示板荒しになったけど、ギリギリまで議論していた人も少なくない。
 
 VIPPER 達の行動は中国当局の最も恐れるものとなる可能性がある。
 広東省:問題発言はネット管理者の責任という記事や、中国共産党、インターネット封鎖に60億人民元という記事を見ても解るように、中国は情報を統制できなくなることを恐れている。VIPPER はそのことをよく解って行動していたように思う。
 当局の弾圧を逆手にとって、反日サイトに日本から圧力をかける方法を手に入れたようなもんだ。あいつらえげつないよほんとwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
 
 戦争や武力での威圧をしなくても中国を揺さぶる事ができる。今は言ってみれば「琵琶湖に投げ込んだ小石」程度の波紋であっても。
 紅客陥落でそんなことを考えた GW でした。
 

*1:国交正常化のときの日中共同声明第五条。中華人民共和国政府は、日中両国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する。

*2:裁判を行うために「平和に対する罪」と「人道に対する罪」が新たに設けられ、遡及適用された。突然「あなたは三年前に自転車に乗ったまま私道を走りましたね。今日から違法ってことにしましたので逮捕します。有罪。以上! とか言われたらどう思いますか? そういう裁判だったのですよ。わざわざ天皇誕生日に開廷してみたり、復讐裁判だったという状況証拠は揃っていますね。

*3:表現が誤解を招くものだったので訂正。5/9 22:50 満州事変をターニングポイントとして関東軍が行った暴走劇は正当化できるものではない。しかし満州が一部国際社会で承認されていたことも忘れてはいけない。→ http://www004.upp.so-net.ne.jp/teikoku-denmo/no_frame/history/honbun/manchu7.html どっちが正しかったのか?といわれれば建国は間違ってたと思うんだけどね。でも当時の国際情勢はいわゆる植民地支配だった。帝国主義の一例として、日本が国内情勢の安定を目指して外部に拡張したのは(今の時代の常識では間違ってるけど)当時の常識としてはアリだったのかもしれない。おいらには当時の常識を想像するしかできないので、このへんは自信が無い。