世間は三周も四周も遅れているわけだが
昨日は「いまさら「Winny さえ使わなければいい」なんて言ってる奴はとりあえず二周遅れで走っていることに気づきましょう。」なんてことを書いた。一周遅れで走っているおいらはトップランナー達が「Winnyを止める事ができないなら」といった現状分析に基づいた対応に動き始めているのに対して、まだ「Winnyを止められないならどうすればいいんだ」なんてことを言っているわけだ。
トップ：Winny だけでなく、情報漏洩を引き起こすトロイとその影響、Winny ネットワークを考慮した対策を提案
一週遅れ：Winny を中心に「止めるのは無理、止めたって無理」だからどうしたらいいんだ？という段階
二周遅れ：Winny ネットワークに情報漏洩するなら Winny を止めてしまえばいいじゃない
三周遅れ：悪質な Winny という P2P が情報漏洩を引き起こすウイルスなのでどうしたらいいんだー
四周遅れ：Winny はじめました！EXE さえダウソしなかったら問題無いっすよね！
五週遅れ：・・・・へ？なにそれ
二周遅れくらいまでは程度の差はあれ対策を考え始めている。どうしたら情報漏洩被害を食い止められるか、新たな被害を抑えられるかをそれなりに考えている層だ。Winny ネットワークの特徴やトロイの特性を把握して、知る限りの情報をもとに対策を考えている。トップ集団は上策となる包括的に対策を考え始めているし、一週遅れのおいら等は Winny を止めることの無意味さやその後に継続しなければならない対策があることを考慮しつつせめて中策くらいはと考えている。二周遅れの層はとりあえず Winny さえ止めれば現状は改善されることを優先しているが、その後の対応を考慮していない下策で良しとしている。
三周遅れ以降の層は事実を把握していない層だ。Winny と P2P を混同していたり、問題が「Winny の使用」であるかのように認識している層でもある。ここにはマスメディアも含まれる。もちろん問題を正確に認識していないため、Winny を悪に仕立て上げることで安心してそれ以上のことは考えない。自分が当事者になる可能性などはカケラほどにも認識しないし、想像する事だってできないだろう。
四周遅れは救いようが無い。ここに来て新規にノードになろうとする馬鹿はネトゲ以外に使い道の無いその無駄に高性能な端末に刺さっているグラフィックボードの端子部分で首をゴリゴリと鋸引きにして痛い痛い言いながら死ねばいいのに。
五週遅れはむしろマシだと言える。問題を全く知らない。おそらく単なる無能だから、重要な情報にも触れることは無いだろう。だから情報漏洩も起こさない。
世間は三周遅れか四周遅れだ。情報セキュリティをほんのちょっぴりでも齧ったら誰だってわかることが世間的にはすぱーはかーのちょーてくのろじーだ。
いい例がある。最近滅多に見かけることもなかったすぱーはかー様が登場したのでネタにしよう。
http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=338790&log=20060319
どうだ。２ちゃんのコピペと同じくらいの馬鹿がいた。知り合いのすぱーはかーに頼んで個人情報を抜いてもらうなんてのとは訳が違う。言ってみれば「俺はかめはめ波が撃てるんだぜ」と言い放っているのと同レベルだ。いや、それはトニートニー・チョッパーの刻蹄十字架だから。しかもヘロヘロの。
もとい。
‥‥そんなワケで、あたしは、これほどパソコンが普及してるのに、意外と無知な人たちが多くて、スタート早々からビックルを一気飲みしちゃったワケだけど、一番笑っちゃうのが、せいぜい Whois 覚えただけでリモートホストとドメインネームの区別がついてない奴でも調子に乗ってしまう人が情報のハブだと言い放ってしまえるってコトだ。しかもそこから先は妄想爆発。この程度でも一般の方は気がつかない。
ほんのちょっと知っていれば一瞬でガセだと見破れる永田メールを、いまだにガセだと認識できない IT 弁護士が「IT にめっぽう強い」なんて触れ込みで出張放火してまわれたりするのも、こんなところに要因がある。
要するに、知らんのだ。世のほとんどの人は。だから騙される。きっこの「IT知識」や「パチンコのセット打法」、IT 弁護士、その他もろもろに。
おなじ理由で、マスコミが流すいいかげんな情報も鵜呑みにする。だって検証できるだけの知識がないんだもん。仕方ないじゃん。
検証の方法も知らないし検証するために何を調べればいいかも知らないんだから。
だから、三周遅れにいるマスコミが世間的にはトップランナーになる。そこから先は世間から離れすぎて、世間の耳目が届かない。
これをなんとかしない限り、あやしい三周遅れの連中がコースを勝手に変更して間違った方向に行っても気づくのが遅れるぞ。気づいたところで、トップ集団はすでに三周遅れが勝手に作った「正しいコース」の外にいる、なんてことになりかねない。
また、伝言ゲームで伝えていった情報も、トップから二周遅れくらいまでは届いても、三周遅れのマスコミが勝手にフィルタリングするおかげで世間にはなかなか届かない。
このあたりも要注意なポイントですな。
さて。
三周遅れ以降の後逸集団にはなかなかトップクラスの言葉が届かないことはお解りいただけたと思う。三周遅れのマスコミが拾うかどうか、それが障壁になってしまっている。もちろん拾い方も問題なんだが。
所詮は三周遅れが勝手に思い込んでフィルタリングしているわけで、正確には届かない。
こんな状況ではリテラシーの底上げでは間に合わないと言われても完全には否定しきれないわけだ。
ネットは Pull 型の情報配信だ。だから、興味の無い人には届かない。キンタマ対策や問題点の検証をしていても、所詮は内輪ネタになってしまう。検索してたまたまたどり着いても、興味がなければスルーする。
だから強制的にやるしかない、ということになる。が、「閉じる」ことによる対応は解決策にはならない。
閉じることで問題の存在そのものを遮蔽してしまうことになるからだ。それは問題を解決するのではなく、目をそむけているだけだ。
が、今はそうも言ってられないんだろう。
そこで。こんなことを考えた。
Winny ネットワークに従量制課金を行う。携帯電話方式で。1パケ0.01円でどうだ。1MBのデータを単純に1000000パケットと概算すると10,000円の課金になる。
Winny の検出にはネットエージェントのワンポイントウォールを使う。フィルタリングするのではなく、流量の測定だけに使う。改造が必要かもしれないけど。
で、その測定 OPW をプロバイダに導入。ユーザのトラフィックのうち Winny のパケットのみをカウント。
で、課金。
タダだからやるんだろ？データ乞食は。乳離れと同じで乳首にわさびでも塗ってやれば諦めるだろ。そういうプレイが好きなら別だが。
だったら有料化だ。プロバイダが得た収入はバックボーンの増強にでも使え。
ファイル共有系はそうやってとりあえず従量課金して、バックボーン増強してから開放すればいいだろ。ネットランナーで紹介された共有ツールは出版翌月から有料化。これでOK。
